穂高古墳群

穂高古墳群：安曇野の古代ロマン

長野県安曇野市穂高に位置する穂高古墳群は、大小様々な円墳からなる、歴史的な遺跡です。これらの古墳は主に西山山麓、烏川と中房川の扇頂部に点在しており、安曇野市の指定史跡として大切に保護されています。

古墳群の分類と主な古墳

穂高古墳群は、その分布や規模から、大きく有明古墳群（A群～D群）と西穂高古墳群（E群、F群）などに分類されています。それぞれの群には、特徴的な名称を持つ複数の古墳が含まれています。

有明古墳群

A群（宮城地区）: 陵塚（A-1号墳）、犬養塚（A-6号墳）、県塚（A-7号墳）など、地域を代表する古墳が集中しています。これらの古墳は、かつてこの地域を治めた有力者の墓の可能性が示唆されています。
B群（天満沢地区）: ぢいが塚（B-1号墳）、連塚（B-3号墳）、金堀塚（B-5号墳）、祝塚（B-23号墳）など、沢沿いに点在する古墳群です。それぞれの名称は、地域に伝わる言い伝えに由来していると考えられています。
C群（富士尾沢地区）: 富士尾沢沿いに位置する古墳群ですが、具体的な古墳の数は現時点では明らかになっていません。今後の調査で、新たな発見が期待されます。
D群: この群で最も注目すべきは、D-1号墳、通称「魏石鬼窟（ぎしきのいわや）」です。鳥居龍蔵博士によって「ドルメン式古墳」と発表されたこの古墳は、八面大王が立て籠もったという伝説も残っており、謎めいた魅力に満ちています。

西穂高古墳群

E群（牧地区）: 西牧塚（E-1号墳）、三郎塚（E-2号墳）、狐塚（E-6,E-7,E-8号墳）など、地域に伝わる物語と結びついた名称を持つ古墳が多数確認されています。これらの名称は、古墳の形状や、周辺の環境、あるいは伝承などに由来していると考えられています。
F群（柏原地区）: 沢筋に沿って分布するこの古墳群は、二ツ塚（F-9号墳、F-10号墳）が特に有名です。これらの古墳は、国営アルプスあづみの公園内に位置しており、2009年度からは國學院大學考古学研究室による本格的な発掘調査が行われています。調査の結果、新たな知見が得られることが期待されています。

その他の古墳

G群: G-1号墳（上原古墳）など、いくつかの古墳が含まれています。
H群: H-1号墳（耳塚 大塚様）など、周辺地域に点在する古墳です。


穂高神社の背後にも盛土が見られ、これらが古墳と関連している可能性も指摘されています。

まとめ

穂高古墳群は、その規模や分布、そしてそれぞれの古墳にまつわる歴史や伝説などから、安曇野地域における古代の歴史を理解する上で非常に重要な遺跡です。現在も発掘調査が進められており、今後の研究によって、さらに多くのことが明らかになることが期待されています。これらの古墳を通して、古代の人々の生活や信仰、社会構造など、様々な側面を垣間見ることができるでしょう。

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