積算法

積算法について

積算法（せきさんほう）は、不動産の新しい賃料を算出するための手法の一つです。この方法は主に不動産鑑定評価基準に基づいており、賃料の算定に際して重要な役割を果たしています。

方法の概要

積算法では、まず対象となる不動産の基礎価格を算出します。この価格は、原価法や取引事例比較法を用いて求められます。その後、基礎価格に期待される利回りを乗じることで、収益の額を見積もります。この収益額に必要な諸経費を加算することで、最終的な賃料が計算されます。つまり、積算賃料の算出は、費用と収益の相関関係を重視した手法と言えるでしょう。

基礎価格について

基礎価格は、対象不動産の価格の根本となる部分であり、原価法や取引事例比較法で導き出されます。原価法では、その不動産を再取得するために必要な費用を算出し、取引事例比較法では、類似の物件の取引価格を参考にします。これらの方法により得た基礎価格が、賃料算定の出発点となります。

期待利回りの設定

期待利回りは、対象不動産を賃貸するために必要な投資金額に対して期待される純収益の割合を示しています。この利回りは、還元利回りに基づいて求められますが、賃料契約の条件や算定期間など、賃料特有の要因も考慮に入れる必要があります。

必要経費の考慮

不動産の賃貸に伴う様々な必要経費も賃料に含める必要があります。例えば、減価償却費、維持管理費、公租公課、損害保険料、貸倒れ準備費、そして空室などに伴う損失相当額が挙げられます。これらの経費は、最終的な賃料に重要な影響を与えるため、正確に把握しておく必要があります。

利回り法との関係

積算法に似た手法として、「利回り法」が存在します。利回り法では、基礎価格に対して継続賃料利回りを適用し、必要な経費を加算することで試算賃料を求めます。こちらも積算法と同様に、基礎価格や必要諸経費は慎重に算出されます。

利回りの算定基準

継続賃料利回りは、現行の賃料が設定されている時点における基礎価格に対する純賃料の割合を基準とします。この利回りは、契約締結時やその後の賃料改定時の利回り、さらに対象不動産に類似した物件の利回りを多角的に考慮しながら設定されます。

まとめ

積算法は、正確な賃料の算定を行うための重要な手法です。これを適用することで、貸主が期待する収益を基にした賃料が明確になるため、賃貸契約の成立には欠かせない要素となります。賃料評価実務において、積算法の理解と適切な適用が求められるでしょう。

もう一度検索