空はどこにでも

『空はどこにでも』 (The Sky Is Everywhere)

作品概要

2022年に配信されたアメリカ合衆国の青春映画です。監督はジョセフィン・デッカーが務め、主演はグレイス・カウフマンが演じました。本作は、ジャンディ・ネルソンが2010年に発表した同名の小説を原作としており、愛する人を失った若者の悲しみと成長を描いています。

物語

物語の中心となるのは、17歳のレニー・ウォーカーです。彼女は音楽の才能に恵まれていましたが、突然の出来事により最愛の姉、ベイリーを亡くしてしまいます。姉の死はレニーの心を深く傷つけ、創作活動への情熱を失わせていました。

レニーと同じように、ベイリーの恋人だったトビーもまた、喪失感に苦しんでいました。同じ悲しみを共有する中で、レニーとトビーは互いに寄り添い、惹かれ合うようになります。

そんな中、レニーが通う高校に音楽好きな転校生、ジョー・フォンティンが現れます。レニーはジョーとすぐに親しくなり、彼と一緒に過ごす時間は、姉の死による悲しみや孤独を忘れさせてくれる癒やしとなります。

トビーとの関係、そしてジョーとの新たな絆の間で、レニーは自身の感情に揺れ動きます。本作は、レニーが愛する者の死という辛い現実を受け止め、周囲の人々との関わりを通して、その悲しみを乗り越え、人間的に成長していく姿を描いた物語です。

主要キャスト

レニー・ウォーカー：グレイス・カウフマン (日本語吹替：上田麗奈)
ビッグ・ウォーカー：ジェイソン・シーゲル (日本語吹替：山野井仁)
グラム・ウォーカー：チェリー・ジョーンズ
ジョー・フォンティン：ジャック・コリモン (日本語吹替：石谷春貴)
サラ：ユ・ジヨン
トビー：ピコ・アレクサンダー (日本語吹替：井上優)
レイチェル：ジュリア・シュレプファー
ベイリー・ウォーカー：ハヴァナ・ローズ・リュー

製作

原作小説の映画化権は、2015年8月27日にワーナー・ブラザース映画によって取得されました。その後、2019年10月にはA24とApple TV+が共同で製作を進める体制が整い、ジョセフィン・デッカーが監督に決定しました。主演のグレイス・カウフマンは、厳しいオーディションを経てレニー役に抜擢されました（2020年7月20日報道）。主要なキャストには、2020年9月にチェリー・ジョーンズとジェイソン・シーゲルが、10月30日にジャック・コリモンが、そして2021年1月にはユ・ジヨンが加わりました。

撮影と音楽

本作の主要な撮影は、2020年10月にカリフォルニア州ユーレカで始まり、同年11月23日に完了しました。映画音楽は、キャロライン・ショウが担当しています（2022年1月11日報道）。

マーケティング

公開前のプロモーションとして、2022年1月10日には劇中写真が公開され、1月21日にはオフィシャル・トレイラーがお披露目されました。

評価

『空はどこにでも』は、批評家から概ね好意的な評価を受けました。映画批評集積サイトRotten Tomatoesでは、32件のレビューで批評家支持率66%、平均点6.3/10を記録しました。また、Metacriticでは、16件のレビューに基づく加重平均値が65/100となっています。

インディワイアーのケイト・アーブランドは本作にB+評価を与え、「愛する者を失うというテーマの青春映画はありふれているかもしれないが、ジョセフィン・デッカー監督のこの作品を観れば、喪失がいかに時代を超えて重要な問題であるかがわかる。まさに、このような作品が今必要とされているのだと感じさせる」と評しました。

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