空気公団

空気公団

空気公団（くうきこうだん）は、1997年に活動を開始した日本の音楽ユニットです。結成当初はバンド形態でしたが、メンバーチェンジを経て、現在はボーカル・作詞・作曲を担当する山崎ゆかりのソロプロジェクトとして独自の世界観を追求しています。2001年にはトイズファクトリーからメジャーデビューを果たし、現在は自身のレーベルであるfuwari studioを運営しています。

彼らの音楽は、日々の暮らしの中で感じるささやかな感情や風景を切り取った言葉を選んだ歌詞、緻密でありながらも耳馴染みの良いアレンジを施された演奏、そして聴く人の心に寄り添うような温かみのある女性ボーカルが特徴です。ポップ・ロックやポップスを基調としながらも、どこか文学的で叙情的な、空気公団ならではのサウンドを生み出しています。音源制作を中心としつつも、映像を効果的に取り入れたライブパフォーマンスや、様々な分野の芸術家との創造的なコラボレーション企画、さらには絵本や映像作品といった音楽以外のメディアでの表現活動にも積極的に取り組み、音楽という枠にとらわれない多角的なアート活動を展開しています。

空気公団の歴史は、1997年に山崎ゆかり、戸川由幸、小山いずみの3名でスタートしました。その後、石井敦子が加入し、一時的に4人体制となります。結成初期の1999年には、ファーストアルバム『くうきこうだん』と初のミニアルバム『ここだよ』を発表し、その存在を知られるようになります。そして2001年、セカンドアルバム『融』で念願のメジャーデビューを果たしました。

しかし、活動の中でメンバーの変動が生じます。2002年には小山いずみが脱退し3人体制に戻り、2004年には石井敦子が結婚を機に「空風街LIVE」をもってグループを離れ、この時期をもって空気公団の「第一期」が終了します。一時活動休止状態となりますが、2005年に山崎と戸川の2名で「第二期」としてバンドを再始動させます。展覧会形式の企画などを経て、再び音源制作を中心とした活動に戻りました。2006年には、アルバム『あざやか』に編曲家として関わっていた窪田渡が正式メンバーとして加わり、再び3人体制となります。

第二期は2018年まで続き、ライブツアー「僕の心に街ができて」の最終公演をもって幕を閉じます。この頃、戸川から脱退の意向が伝えられたことを受け、今後の活動体制について検討が重ねられました。その結果、2019年に空気公団は「第三期」として、山崎ゆかりのソロプロジェクトとして継続していくことが発表され、現在に至ります。

これまでに、多数のシングル、配信限定シングル、オリジナルアルバム、ミニアルバム、ライブアルバム、ベストアルバム、LPなどを発表しており、そのディスコグラフィーは多岐にわたります。また、NHKの「みんなのうた」で楽曲「優しさ」が放送されるなど、幅広い層に彼らの音楽が届けられています。ライブ活動も積極的に行っており、「空間」「音の展示」「あざやか」「おくりもの」といったテーマ性のあるツアーやイベント、またbonobosやキセル、ミツメといったアーティストとの共演イベントにも参加するなど、精力的なパフォーマンスを続けています。

現メンバーである山崎ゆかりは、1975年青森県青森市出身。空気公団の代表を務め、全ての楽曲において歌唱、作詞、作曲、編曲を手がけています。過去には、ピアノ・キーボード担当の小山いずみ（2002年脱退）、オルガン・キーボード担当の石井敦子（2004年脱退）、ベース・ギター・録音担当の戸川由幸（2018年脱退）、鍵盤楽器・編曲担当の窪田渡（2018年脱退）がメンバーとして活動していました。

空気公団は、その時々の形態を変えながらも、一貫して日常に根差した温かい音楽と、枠にとらわれない自由な発想による表現活動で、多くのリスナーを魅了し続けています。

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