空気質指数

空気質指数（AQI）について

空気質指数（AQI）は、複数の国家や地域で大気汚染の程度を示すために使用される指標です。この指数は、空気中のさまざまな汚染物質の濃度を測定することで算出されます。代表的な汚染物質には、粒子状物質（PM2.5）、二酸化硫黄やオゾンなどが含まれます。AQIの数値は、環境を監視するための行政機関によって市民に提供され、通常は観測データだけでなく予測に基づく情報も含まれます。

各国の空気質指数の違い

AQIの名称や算出方法は国によって統一されておらず、それぞれの国が独自の基準を設けています。たとえば、アメリカ合衆国の「Air Quality Index（AQI）」やカナダの「Air Quality Health Index（AQHI）」、中国の「空气质量指数」などがあります。これらの指標は、各国の大気汚染の特徴に応じて異なる基準を用いて類型化されています。

日本においては、国が直接的な空気質測定やAQIの発表を行っていないため、各自治体が独自にデータを公開しています。東京都では、大気汚染状況をモニタリングし、速報で大気汚染地図情報を発表していますが、AQIとしてではなく生データの形で提供されることが一般的です。

測定と公表の方法

空気質指数は政府機関や民間企業、個人によって提供されることがあります。多くの場合、空気質の測定データは大気汚染モニタリング装置を通じて収集されます。近年では、個人が独自に測定を行い、そのデータを基に空気質指数を算出して公表するケースも増えています。これにより、市民がアクセスしやすい形での情報提供が進んでいます。

特定のブランドから提供されるモニタリング機器を使用すれば、個人でもリアルタイムで空気質を測定し、その結果をインターネット上にアップロードすることが可能です。このように集計された空気質データは、様々なプラットフォームやアプリで確認できるようになっています。

各地域の具体例

北米

アメリカでは、環境保護庁（EPA）が空気質指数を定めています。主要都市における大気汚染物質の観測を行っており、その結果を毎日公表しています。AQIは6段階で評価され、特に敏感なグループへの影響が出るのは指数が100を超える場合と言われています。

カナダ

カナダでは、Air Quality Health Index（AQHI）が用いられ、汚染物質はPM10、PM2.5、オゾン、二酸化窒素の4つで評価されます。

ヨーロッパ

欧州連合では、Common Air Quality Index（CAQI）が設定されており、PM10、PM2.5、二酸化硫黄、一酸化炭素、オゾン、二酸化窒素の6種類の物質を監視しています。

アジア

韓国ではComprehensive Air-quality Index（CAI）が採用され、PM2.5、PM10など6つの物質による4段階の評価が行われています。中国もまた、2012年から新たな空気質指数を導入しており、PM10やPM2.5を含めた6種の物質が評価されています。

まとめ

このように、空気質指数は国ごとに異なる名称や測定基準が存在し、各地域の環境状態を示す重要な指標です。個人や団体によってさまざまな測定が行われることで、私たちは最新の空気質情報にアクセスし、健康を守るための選択をする一助としています。

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