アップロードとは
アップロードとは、接続された
コンピュータ間でデータを転送する行為を指します。具体的には、下流ノードから上流ノードへ、ファイルや情報などを送信することを意味します。日本語では「上げる」と表現されることもあり、送信という言葉で言い換えられることもありますが、実際には上流ノードの指示によって下流ノードからデータが転送されるという点で、受信の側面も持ち合わせています。対義語としては
ダウンロードが挙げられます。
元々、「ロード」という単語自体に
データ転送の意味があり、そこから派生してアップロードという言葉が使われるようになりました。
アップロードの概念
この概念は、
パソコン通信が普及し始めた
1970年代後半から
1980年代にかけて登場しました。当時の
コンピュータネットワークは、ホスト
コンピュータと
端末という明確な主従関係があり、データの流れは「上流→下流」という一方通行でした。しかし、
インターネットの普及に伴い、この関係は曖昧になりました。特にP2P通信のように、双方向通信であっても一方的に大量のデータを送りつける行為をアップロードと呼ぶ傾向が強まっています。
本来、通信においては
サーバー側からの受信要求に対して
端末側がデータを送信するという手順を踏みますが、この要求や送信のやり取りはユーザーには意識されません。そのため、自分のパソコンや
端末からデータを送信する行為全般がアップロードと認識されるようになりました。
電子掲示板への書き込みや
電子メールの送信も、本来はサービスを提供する
サーバーへのアップロード行為ですが、現在ではデータの集合であるファイルを送信する行為をアップロードと呼ぶのが一般的です。この傾向はP2P通信でも同様に見られます。
アップロードされたデータは、
サーバー上で一般に公開されることもあります。
電子掲示板では、投稿した内容が即座に第三者に公開されます。しかし、この手軽さから、
荒らし行為や
誹謗中傷、
脅迫などの問題も発生しています。
匿名性を悪用した無責任なアップロードも問題視されています。
インターネットスラングでは、アップロードは「うp」と呼ばれることもあります。
アップロードにおける法的責任
アップロードは、
インターネットを通じて情報を公開・提供する便利な手段ですが、同時に
著作権侵害などの法的責任を伴う行為でもあります。
著作権者が持つ
著作権や送信可能化権を侵害するコンテンツの無断アップロードは、
著作権侵害行為となります。また、アップロードするファイルの内容によっては、わいせつ物頒布や児童ポルノ禁止法違反などの違法行為に該当する可能性もあります。
日本では、P2P監視システムによるサイバーパトロールや一斉検挙が実施されており、
著作権侵害や違法コンテンツのアップロードによって逮捕される事例が後を絶ちません。2013年には、ファイル共有ソフト関連で検挙された者のうち、
著作権関連が66%、わいせつ物陳列が19%、児童ポルノ禁止法違反が15%を占めています。
1990年代後半には、不正コピーソフト(Warez)を
サーバーにアップロードした者が逮捕・有罪となった事例もあります。また、
著作権法は改正により非親告罪化されており、権利者の告訴がなくても起訴される可能性があります。
2010年1月1日、日本の
著作権法改正により、違法と知りながら著作物などを
ダウンロードする行為も違法となりました。さらに2012年10月1日には、違法にアップロードされた有償の音声・映像を
ダウンロードする行為に対して刑事罰が科されるようになりました。
ただし、動画共有サイトで再生時に一時的に保存されるキャッシュは、
ダウンロード違法化の対象外です。そのため、違法アップロードされた動画をストリーミング再生するだけでは罪に問われません。
まとめ
アップロードは、
インターネットを利用する上で不可欠な行為ですが、
著作権侵害や違法行為に繋がる危険性も孕んでいます。情報を発信する際は、法令を遵守し、責任ある行動を心がける必要があります。
関連項目
アップリンク - ダウンリンク
アップローダー - ダウンローダー
オンラインストレージ
ダウンロード
[File Transfer Protocol]
ピア・ツー・ピア
著作権
画像掲示板
著作権侵害
違法
ダウンロードの違法化
違法ダウンロードの刑事罰化
日本の[[著作権法における非親告罪化]]