空港周辺整備機構

独立行政法人空港周辺整備機構

独立行政法人空港周辺整備機構（くうこうしゅうへんせいびきこう、Organization for Environment Improvement around International Airport）は、国土交通省が所管する法人で、日本国内の空港周辺地域における航空機の騒音問題に対応するために設立されました。

概要

福岡市博多区に位置する同機構は、周辺地域の生活環境を改善することを目的に、特に福岡空港周辺での騒音障害の防止や軽減に向けた施策を行っています。理事長は今吉伸一氏が務めており、資本金は4億円で、政府からの出資金が3億円、地方公共団体からが1億円を占めています。

主な事業内容

機構は以下のような事業を展開しています。

再開発整備事業

航空機の騒音が影響を及ぼさない施設への土地利用転換を促進するため、国が取得した土地の造成や管理、譲渡を行っています。具体的な事例として付けられたのが、エレデ博多寿屋空港店、現在はナフコ福岡空港店に転換されています。

移転補償事業

騒音による影響を受ける地域において、建物や土地の所有者からの申請に基づき、移転補償や土地の買い入れが行われます。

緑地造成事業

取得した土地に緑地を整備し、航空機の騒音障害の防止や地域の住環境の改善を目指しています。移転補償事業で得た土地に造成や植栽を行うことで、緑地帯の整備を進めています。

民家防音事業

第一種区域内にある住宅に対して、騒音軽減のための防音工事やエアコンなどの空調機器設置費用を助成しています。この事業は、住民が快適な生活を送るための重要な施策です。

発足の背景

1967年に大阪国際空港が、さらに1972年には福岡空港が特定飛行場として指定され、その後、空港周辺の住民が騒音被害の拡大を懸念するようになりました。このような状況を受けて、航空機騒音防止法が制定され、1974年には航空機騒音の軽減を目的とした法律が改正され、空港周辺対策を実施する主体として空港周辺整備機構が設立されました。

その後、福岡空港周辺整備機構も1976年に発足し、1985年には大阪と福岡の両空港の整備機構が統合され、現在の形となりました。さらに2003年には独立行政法人化され、福岡空港に関する業務を専念することになりました。

沿革

• - 1974年: 大阪国際空港周辺整備機構設立
• - 1976年: 福岡空港周辺整備機構設立
• - 1985年: 両機構を統合し、空港周辺整備機構が発足
• - 2003年: 独立行政法人へ移行
• - 2012年: 大阪国際空港の業務を新関西国際空港株式会社に移管
• - 2029年: 福岡空港に関する業務を福岡国際空港株式会社に移管予定

今後も機構は、航空機騒音による地域住民への影響を緩和し、快適な生活環境の提供を図るために、さまざまな事業を推進していく方針です。

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