立型乾燥機

立型乾燥機（たてがたかんそうき）

概要
立型乾燥機は、農業において収穫した穀物を温風で乾燥させるための機械です。これにより、穀物の品質を保ちながら効率的に乾燥作業を行うことができます。特に、従来の平面型乾燥機に比べて、乾燥効率が向上し、乾燥ムラを防ぐ設計がなされています。

特徴

従来の平面型乾燥機では、乾燥の過程で乾燥ムラが生じることが避けられず、また、容積も制約されることが多いです。しかし、立型乾燥機の設計により、乾燥箱を縦に伸ばすことが可能であり、そのため設置に必要な面積も小さくて済みます。穀物は上部から投入され、下に移動する過程で均等に乾燥されます。この循環方式により、全体の乾燥が迅速かつ均一に行えるのです。

さらに、現代の乾燥機では水分計が取り入れられており、穀物の水分を常にモニタリングします。事前に設定した含水率に達すると燃焼が自動で停止するため、過度な乾燥や不足が非常に起こりにくい設計になっています。

形状

立型乾燥機は、その構造が非常に特異です。穀物を収納するタンク、燃焼用の器具としての火炉やバーナー、さらには送風機とモーターが組み合わさっています。これに加えて、有孔鋼板で成形された通風部分や、乾燥に必要な温度や時間を調節するためのコントロールパネルが設けられています。

タンクの下部には穀物を循環させるためのスクリューコンベヤがあり、反対側には昇降機が配置されています。主タンクは有孔鋼板で作られ、その外壁には通常の鋼板を二重に重ねる構造が採用されています。これにより、強度と耐久性が確保されています。

乾燥方法

乾燥のプロセスは以下のように進行します。まず、穀物は張り込みホッパから投入され、昇降機によってタンクの上部に運ばれます。次に、スクリューコンベヤを介して中央に送り込まれ、飛散機によってタンク全体に均等に広がります。

穀物はタンクの上から下に流れる際に、中央の通風部分から発生する温風によって乾燥されます。下部に到達した穀物は、再びスクリューコンベヤによって昇降機まで運ばれ、再度タンクの上部に送り込まれます。このサイクルを繰り返すことで、穀物は効率よく乾燥されるのです。

また、送風機からの温風は穀物を通過し、タンクの外壁から抜け出します。その際、塵やゴミも一緒に吸引ファンによって外部に排出されるため、室内に設置しても周囲が汚れにくい設計となっています。

その他の注意事項

張り込まれた穀物は、けっして均一な含水率ではなく、さまざまな状態が考えられます。このため、乾燥の最初の段階では、通風のみで穀物を循環させることが推奨されます。

製造メーカー

以下は、立型乾燥機を製造している主なメーカーです：

• - 井関農機
• - 金子農機
• - 大島農機
• - サタケ
• - 静岡製機
• - 山本製作所

立型乾燥機は、その効率的な設計と機能により、現代の農業において欠かせない存在となっています。穀物を高品質かつ迅速に乾燥させられるこの機械の存在によって、農業従事者は安心して作業を進めることができるのです。

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