立政寺

立政寺（りゅうしょうじ）

立政寺は、岐阜県岐阜市西荘に位置する浄土宗西山禅林寺派の寺院です。山号を亀甲山と称し、正式には護国院立政寺と号します。この寺院は、その長い歴史と文化的な価値から、地域において重要な存在となっています。

歴史

立政寺の始まりは、1354年（正平9年）に智通上人（智通光居）が伊勢参宮からの帰路にこの地を訪れ、念仏の修行を行ったことに由来します。彼の修行に感銘を受けた人々が集まり、寺院としての基礎が築かれました。最盛期には、浄土宗西山派の中心寺院として、その名を広く知られていました。

1891年（明治24年）には、濃尾地震によって大きな被害を受けましたが、その後再建され、現在に至っています。

文化財・史跡

立政寺は、数多くの貴重な文化財や史跡を所蔵しており、その歴史的価値を物語っています。

岐阜県指定重要文化財

絹本著色善導大師像: 中国浄土教の祖である善導大師を描いた絹本著色の画像。
絹本著色当麻曼荼羅図: 浄土教の教えを図示した当麻曼荼羅の絹本著色図。
絹本著色十三尊仏像: 十三仏を描いた絹本著色の仏画。
絹本著色阿弥陀如来像: 阿弥陀如来を描いた絹本著色の仏画。

これらの文化財は、いずれも歴史的、美術的価値が高く、立政寺の歴史と信仰を今に伝える貴重なものです。

岐阜県指定史跡

智通光居墓: 立政寺の開祖である智通上人の墓。智通上人は応永10年（1403年）に亡くなりました。かつては本堂の裏手に墓地がありましたが、現在は本堂前側（南西部）に移され、供養されています。

岐阜市指定文化財

淡墨の綸旨: 本寺と末寺、聖教僧衆の弘通に関する規定を記した智通筆の文書です。

所在地

立政寺は、岐阜県岐阜市西荘3丁目7番11に位置しています。JR東海道本線西岐阜駅の北西にあり、アクセスも比較的容易です。

その他

江戸時代の初期、1609年（慶長14年）頃には、落語の祖とされる安楽庵策伝が立政寺に滞在していたことが知られています。この縁により、2008年（平成20年）には、境内にて策伝大賞の記念植樹が行われました。この出来事は、立政寺と地域社会とのつながりを象徴するエピソードの一つと言えるでしょう。

立政寺は、その長い歴史の中で多くの変遷を経てきましたが、今もなお、地域の人々の信仰と文化の中心として重要な役割を果たしています。

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