竜世紀

『竜世紀』の概要

『竜世紀』とは、1988年にリリースされたオリジナルビデオアニメーション（OVA）です。この作品は、全2話構成で、各巻の内容は以下のとおりです。第一話『神章 A.D.1990 璃子』が1988年10月26日に、第二話『魔章 R.C.297 ルリシア』が1988年12月25日に発売されました。原作である『DRAGON BREEDER』（久保書店、WORLDコミックス刊）は竜騎兵によって描かれ、このOVAはその物語を基に、新たに脚色されました。さらに、2006年にはコンプリート・コレクションとして、全話と原作漫画、設定資料が含まれたDVDがジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントからリリースされています。

物語の背景

本作は、竜にまつわる深いテーマや人類との関係を描いており、異なる時代背景が設定されています。

神章 A.D.1990 璃子

物語の序盤となるこの部分では、世界中で突如出現した「竜」が人々を襲う様子から始まります。人類はこの危機に対処するため、自衛隊の特殊部隊を編成し、竜を駆除しようとします。

主人公は少女・璃子。彼女は、母竜が自衛隊の攻撃を受けた際、偶然卵を見つけ、育てることになります。その卵から孵化したのが「カーマイン」という名の赤い竜です。璃子は、心の底から「日常を破壊してくれる存在」を求めていたため、カーマインとの出会いが彼女の人生を大きく変えることになります。しかし、やがて本当の敵である「魔」が現れ、物語は更なる緊張を増していきます。

魔章 R.C.297 ルリシア

ストーリーは約300年後に移り変わります。この時代では、竜はもはや人間の奴隷となり、決闘の道具として使われています。ルリシアという少女は、竜使いだった父を竜闘で失い、彼の復讐のために竜使いとしての道を歩むことを決意します。彼女は、かつての文明が残した塔の頂上に赤竜がいるという噂を聞きつけ、その塔へと登る冒険に乗り出します。

登場人物の紹介

本作には多くの魅力的なキャラクターが登場します。

神章 A.D.1990 璃子の登場人物

• - 璃子（りこ）: 日常の混沌を求め、特殊部隊の銃撃に巻き込まれながらも竜の卵を手に入れ、カーマインを育てる。彼女の成長が物語の中心となる。
• - カーマイン: 幼年期の赤竜。璃子が育てることで人間に対して特別な感情を抱くようになる。
• - 相良匡: 自衛隊の特殊部隊の指揮官で、竜の危険性を訴え、特殊部隊の結成に尽力する。
• - 相良の上官: 特殊部隊の設立には反対していたが、相良に説得され一時的に協力する。
• - 晴美（はるみ）: 璃子の友人で、璃子の心の葛藤を知る。

魔章 R.C.297 ルリシアの登場人物

• - ルリシア: 竜使いとして父の敵を討つ決意を固めた少女。
• - カーマイン（老年期）: 時を経てルリシアに従うことになる竜。彼の過去に秘められた真実が徐々に明らかになる。
• - 魔青年: ルリシアが復讐の対象とする人物。

制作チーム

本作は、企画・プロデューサーの三浦亨により制作され、監督は福本潔が担当、脚本は会川昇によって形作られました。キャラクターデザインは北爪宏幸が行い、美術や音楽、撮影など、多くの才能が集結してこの作品が生まれました。主題歌は辛島美登里によるもので、ストーリーに深みを与えています。

まとめ

『竜世紀』は、深いテーマ性とキャラクターの成長が組み合わさり、視聴者に強く印象を残す作品です。OVAとしての形式で楽しめる物語が魅力的で、多くのファンに愛され続けています。

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