竜田藩

竜田藩の歴史

竜田藩（たつたはん）は、大和国、現在の奈良県生駒郡に所在した藩です。豊臣秀吉の家臣である片桐且元が主な藩主であり、彼は武勇に秀でると同時に政治的な能力も高く、秀吉に重用されました。且元は賤ヶ岳の七本槍の一人として名を馳せ、彼の能力は播磨国内の所領でも確認され、わずか1万石を与えられました。

関ヶ原の戦いの際、且元は豊臣家の家老として秀頼の後見を任され、豊臣家の存続に寄与しました。家康との裏交渉が功を奏し、関ヶ原後の慶長6年（1601年）には、彼の功績を評価されて大和国竜田で2万8000石に加増されて藩主となりました。これにより、竜田藩が誕生しました。

その後、彼は徳川家との関係修復に尽力し、慶長16年（1611年）には豊臣秀頼の上洛にかかわる調整役を果たしました。且元の努力によって豊臣家は関ヶ原の大敗からも15年間存命を保つことができたと言われています。

しかし、徐々に家康との継続的な交渉が、豊臣内部の内通疑惑を引き起こすことになり、結果的に且元は豊臣家から独立することになりました。豊臣家滅亡の直後に且元は病死し、その後は son である片桐孝利が家督を継承しました。孝利もまた藩政の基盤構築に努めましたが、38歳で亡くなります。彼には子どもがいなかったため、一時的に家は窮地に陥りましたが兄弟が家督を継ぎ、一時的に存続が許されました。

しかし、新しい藩主である片桐為元が41歳で亡くなった後、家計は次第に困窮し、世代を増すごとに雨乞いされていきます。為元の子供も早世し、竜田藩は最終的に廃藩となりました。

幕府は且元の功績を考慮し、且元の血筋を持つ片桐且昭を旗本として任命しましたが、且昭もまた子供を残さずに死亡します。それにより、片桐家の名跡は完全に断絶の運命を辿ることになりました。

歴代藩主

片桐家

• - 外様 1万石 → 2万8000石 → 4万石 → 1万石

- 片桐且元
- 片桐孝利
- 片桐為元
- 片桐為次

旗本寄合席

• - 片桐且昭（3000石）
• - 片桐貞就

このように、竜田藩は片桐氏により築かれた歴史ある藩ではありましたが、存続には厳しい運命が待ち受けていました。豊臣家との深い関わりを持ちつつ、幕府が変わる時代背景の中で、藩の運命もまた流転していく様子が伺えます。

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