童年往事 時の流れ

童年往事 時の流れ

『童年往事 時の流れ』（どうねんおうじ ときのながれ）は、1985年に制作された台湾映画で、監督は侯孝賢（ホウ・シャオシェン）です。この作品は、監督自身の自伝的要素を含み、台湾における彼の幼少期を描いています。

映画概要

本作は、数々の映画賞を受賞しており、第22回金馬奨では最優秀助演女優賞と最優秀脚本賞を受賞しました。また、国際批評家連盟賞（第36回ベルリン国際映画祭）、および審査員特別賞（第31回アジア太平洋映画祭）も獲得しています。日本では1987年にぴあフィルムフェスティバルで『阿孝（アハ）の世界』というタイトルで上映され、その後1988年に『童年往事 時の流れ』として劇場公開されました。

主なキャラクター

物語は、阿孝（アハ）という男の子を中心に展開されます。彼は広東省梅県で生まれ、幼少期に家族とともに台湾に移住しました。彼には兄、姉、2人の弟がいます。台湾に移住した母親は、時折子供たちに中国本土での思い出を語り、また祖母は彼に何度も本土の故郷に連れて行くよう懇願しました。

阿孝が小学校を卒業した年、父親が他界します。中学校に進学すると、彼は仲間たちと共に未熟ながらも反抗的な日々を送ります。ギャングに関与したり、女の子と遊んだり、ビリヤードをしたりと、若い血気盛んな瞬間を描写しています。彼の身の回りでは、姉が結婚のため北へ旅立ち、兄も家を離れて学校に進む一方、母親は癌に倒れます。

この状況は、阿孝に早く成長し、家庭を支えるというプレッシャーをかけるものではありましたが、彼は友人とともに喧嘩や悪戯を続け、隣の女の子に密かに恋をしていました。しかし、母親の死は彼に生と死の厳しさを痛感させ、彼は心理的にも成長を余儀なくされます。

本来、阿孝は学校からの支援を受けて軍校への進学を考えていましたが、憧れの高雄女子中学の同級生から「大学に合格したら付き合う」と告げられると、彼は大学入試に挑戦する決意を固めます。しかし、その希望は実らず、入試に不合格となり、彼女も他の人へと気持ちが移ってしまいます。祖母も静かにこの世を去り、彼の目の前には家族の崩壊と理想の破滅という現実が突きつけられます。

この作品は、全体を通じて青春の甘酸っぱさや苦さを描いています。阿孝の成長過程は、彼が抱える様々な困難や挫折を通じて描かれ、最終的には彼の人生における重要なターニングポイントとなります。少年時代の夢や希望、そしてその破壊についての深い考察を提供しているのです。

キャスト

• - 阿孝（アハ）：游安順（ユー・アンシュン）
• - 阿孝のガールフレンド：辛樹芬（シン・シューフェン）
• - 阿孝の父親：田豊（ティエン・フォン）
• - 阿孝の母親：梅芳（メイ・ファン）
• - 阿孝の祖母：唐如韞（タン・ルーユン）

スタッフ

映画の監督・脚本は侯孝賢（ホウ・シャオシェン）が務め、脚本には朱天文（チュー・ティエンウェン）が参加しています。撮影は李屏賓（リー・ピンビン）、音楽は呉楚楚（ウー・チューチュー）が担当しました。編集には王其洋（ワン・チーヤン）、製作総指揮は林登飛（リン・トンフエイ）、製作は徐国良（シュ・クオリャン）が行いました。

外部リンク

• - 童年往事 時の流れ - allcinema
• - 童年往事 時の流れ - KINENOTE
• - The Time to Live and the Time to Die - オールムービー（英語）
• - Tong nien wang shi - IMDb（英語）

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