竪行

竪行（しゅぎょう）について

竪行（しゅぎょう）は将棋の駒の一種であり、将棋の中には存在しない特有の駒です。この駒は中将棋、大将棋、天竺大将棋、さらに大大将棋や摩訶大大将棋、泰将棋、大局将棋といった様々な将棋の体系において見ることができます。特に中将棋では、単に「竪」と略しても呼ばれています。なお、基本的に竪行は銀将が成駒となる位置を持ち、成ると飛牛（ひぎゅう）という特別な形態に変化します。

攻撃的な性質

竪行の特徴は、前方に向かって速やかに動く能力です。この特性により、竪行は攻撃駒として非常に価値の高い存在となっています。成駒の飛牛に進化すると、動きの幅が広がり、斜め四方への走りを持つようになります。この点は、特に攻撃手段を増やす上で大きな強みです。とはいえ、飛牛になることで横方向への利きが1マス分失われるというデメリットも抱えていますが、その攻撃的能力は十分にその欠点を補うものといえるでしょう。従って、竪行は主に攻撃に利用されますが、守りにも一定の役割を果たします。

各将棋における役割

大大将棋では竪行は成ることができないため、異なる扱いがされています。この点では、他の将棋と比較して特異な存在です。また、摩訶大大将棋や泰将棋においては、成ることで金将に変化しますが、基本的には竪行はその特有の特徴を持った駒として扱われ続けています。

他の駒との関連

竪行は、対照的に横行という駒とも関連があります。横行は、竪行とは異なり、横方向に複数マスを移動できる特性を持っていますが、縦方向への移動は1マスに制限されています。このような特性の違いは、将棋の戦略や駒の使い方において非常に重要な要素となります。また、土車や走狗といった駒も大局将棋に存在し、動き方が同じため、竪行との比較が可能です。

参考文献

竪行に関する詳細な情報は、梅林勲・岡野伸共著の『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』に記載されています。この書籍は、将棋の歴史や駒の役割について深く掘り下げた有益な資料となっています。将棋の駒に関する知識を得るために、ぜひ読んでみることをお勧めします。

竪行の独特の動きや性質について理解を深めることで、将棋の奥深い戦略をより楽しむことができるでしょう。

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