端宗 (宋)

端宗（たんそう）は、南宋の第8代皇帝であり、その諱は昰（し、是に同じ）です。元朝によって編纂された『宋史』では、建国公として恭帝（瀛国公）・衛王（永国公）と共に、本紀の最後の巻にその名が記されています。

生涯

度宗の五男として生まれた端宗は、益王に封じられていました。徳祐2年（1276年）に都の臨安が陥落し、異母弟である恭帝が元に降伏し捕らえられるという事態に直面します。そのような中、趙昰は母の楊淑妃、異母弟の衛王趙昺と共に、楊淑妃の兄である楊亮節らの助けを得て、福建へと脱出しました。そして、趙昰は新たな皇帝として擁立され、福州濂浦平山において、わずか7歳で即位し、景炎と改元しました。

張世傑や陸秀夫といった主戦派は、故地の回復を試みましたが、元軍の勢いは衰えることなく、有効な対抗策を打ち出すことができませんでした。そのため、張世傑とともに海路を避難するという状況が続きました。

景炎3年（1278年）3月、元軍に追われた端宗は広州湾へと逃れましたが、その際に乗船していた船が転覆するという事故に見舞われます。海中から救助されたものの、この事故が原因で体調を崩し、碙洲梅蔚（現在の香港大嶼山梅窩、一説には広東省珠海市香洲区担杆島）に逃れた際に、わずか10歳という若さで崩御しました。

関連項目

* 宋王台 - 香港に存在する地名で、現在は公園となっています。この場所は、端宗と衛王の兄弟が休息した場所として伝えられています。

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