徳祐

徳祐（とくゆう）は、中国の南宋、恭帝の治世において使用された元号です。1275年から1276年旧4月までの期間を指します。

徳祐の時代背景

徳祐の時代は、南宋がモンゴル帝国の侵攻を受け、滅亡へと向かう激動の時代でした。幼い恭帝が即位し、政治は腐敗が進み、国力は衰退の一途をたどっていました。

西暦との対照表


徳祐年間の主な出来事

咸淳10年10月22日: 恭帝の即位に伴い、翌年を「徳祐元年」とする踰年改元の詔が下されました。
徳祐元年2月21日: 賈似道（かしどう）が率いる宋軍が、モンゴル軍によって壊滅的な打撃を受けました（丁家洲の戦い）。この敗戦は、南宋の防衛力を大きく低下させることとなりました。
徳祐元年3月5日: 恭帝による「罪己詔（ざいきのしょう）」が下されました。これは、皇帝が自らの不徳を जनता に詫びるもので、当時の南宋の混乱した状況を反映しています。
徳祐元年9月: 失脚した賈似道が配流の途中で殺害されました。賈似道は長年にわたり政治を壟断し、汚職を蔓延させた人物であり、彼の死は南宋の政治に大きな影響を与えました。
徳祐2年2月5日（元至元13年2月6日）: 首都臨安（りんあん）が陥落し、恭帝が元軍に降伏しました。これにより、南宋は事実上滅亡しました。ただし、その後も南宋の残存勢力による抵抗は続きました。
徳祐2年5月1日: 福州で端宗（たんそう）が即位し、「景炎（けいえん）」と改元されました。これは、南宋の再興を目指す動きの一環でした。

徳祐という元号が示す意味

徳祐という元号には、「徳によって天の助けを得る」という意味合いが込められていると考えられます。しかし、実際には徳祐の時代は南宋が滅亡へと向かう時代であり、その願いは叶いませんでした。

関連項目

* 元号一覧 (中国)

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