競技者の用具 (サッカー)

サッカーにおける競技者の用具

サッカーの試合において、競技者が身に着ける用具は、競技規則によって厳格に定められています。これは、選手の安全を確保し、公平な競技を行う上で不可欠な要素です。本稿では、サッカー競技規則第4条「競技者の用具」に基づき、競技者が着用を認められた、または着用できる用具について詳しく解説します。

基本的な用具

競技者は、以下の5つの用具を必ず身に着けなければなりません。

1. ジャージ（シャツ）: チームを識別するための重要な要素です。ジャージとショーツが一体になったものは禁止されています。
2. ショーツ（パンツ）: 動きやすさを考慮したものが用いられます。
3. ストッキング（靴下）: シンガードを固定する役割も担います。
4. シンガード（すね当て）: 相手競技者からの衝撃からすねを保護するためのものです。以下の規定があります。
ストッキングによって完全に覆われていること
ゴムやプラスチックなど適切な素材で作られていること
十分にすねを保護できること
5. シューズ（靴）: スパイクなど、グラウンドに適したものが使用されます。

これらの用具は、競技者の安全と公平性を保つために、常に適切な状態であることが求められます。

ゴールキーパーの用具

ゴールキーパーは、他の競技者や審判員と明確に区別できる色のシャツとショーツを着用する必要があります。また、ゴールキーパーはトラウザー（長ズボン）やグローブの着用も認められています。グローブは、ボールをキャッチする際に手を保護し、グリップ力を高めるために重要な役割を果たします。

その他の規定

近年、装飾品の着用に関する規定が厳格化されています。2006年のワールドカップドイツ大会を契機に、腕時計、指輪、ネックレス、ブレスレット、ピアスなどの金属製の装飾具の着用は原則として禁止されています。これは、接触プレーの際に相手競技者を傷つける可能性があるためです。試合前には、審判員が選手に指を広げさせて確認するなど、装飾品の有無を入念にチェックしています。

フェイスマスクなどの医療用具については、危険性がないかどうかが個別に判断され、着用の可否が決定されます。医師の診断書などが必要となる場合もあります。

その他の決定事項

競技規則第4条には、以下の決定事項も含まれています。

競技者は、スローガンや広告が付いたアンダーシャツを見せてはなりません。これらをアピールする目的でシャツを脱いだ競技者は、処罰の対象となります。
* シャツには袖が付いていなければなりません。2002年のワールドカップ日韓大会で、カメルーン代表が袖のないシャツを持ち込もうとした際に、この決定が追加されました。

これらの規定は、競技の公平性を保ち、商業的な宣伝活動を制限することを目的としています。

審判員のシャツ

審判員のシャツは、対戦する両チームのジャージの色と重ならない色を着用します。一般的には黒色のシャツが用いられますが、黄色、赤、緑などの色も使用されます。大会主催者は複数の色のシャツを用意し、対戦チームのシャツの色を考慮して、最も識別しやすい色が選ばれます。

また、選手用のシャツと異なり、審判員のシャツにはイエローカードやレッドカード、手帳などを入れるためのポケットが胸に付いています。これにより、審判員は迅速かつスムーズに試合をコントロールすることができます。

競技者の用具に関する規定は、常に進化しています。最新の競技規則を理解し、遵守することが、全てのサッカー関係者に求められています。

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