竹内善徳

竹内善徳の生涯と業績

竹内善徳（たけうち よしのり、1937年8月27日 - 2006年5月14日）は、日本の柔道界において名を馳せた柔道家であり、その後教育者としても多大な影響を与えた人物です。1962年に全日本選手権での優勝を果たし、その実力が広く認められました。竹内は国際柔道連盟の副会長や筑波大学の名誉教授を歴任し、柔道の発展に寄与した功績からも多くの人々に尊敬されました。

略歴

竹内は北海道札幌市に生まれ育ちました。高校生になってから本格的に柔道を始め、北海道チャンピオンのタイトルを獲得しました。その後は東京教育大学に進学し、大学生活の中で同級生の猪熊功と共に成長を遂げました。竹内は「理論派の紳士」と称され、猪熊とは対照的なスタイルで知られていました。

1960年に大学を卒業後、大分の大分上野丘高校で教師としてのキャリアをスタートし、国体の教員部門で優勝を果たしました。全日本選手権には1960年から1963年まで連続で出場し、特に1962年の大会では得意技を駆使して優勝しました。この時期には、多くの著名な選手たちが参加していたため、彼の優勝は特に大きな意味を持ちます。

教育者としての活動

竹内は1962年以降、工学院大学の講師としても活躍しつつ、数十カ国を訪れ、世界中で柔道の指導に努めました。1969年には母校・東京教育大学で武道学科が設置されると、竹内は講師として招聘され、さらには筑波大学の体育科学系にて助教授、1986年からは教授として指導にあたりました。彼の指導を受けた選手の中には、後に世界的な選手となる岡田弘隆もいます。

また、竹内は国際柔道連盟の審判委員やアジア柔道連盟の要職も務め、審判員制度の確立や質の向上に寄与しました。彼の努力により、柔道選手たちは国際的な舞台で違和感なく競技できる環境を得ました。これは、彼の国際的視野に基づく柔道の普及と指導に支えられたものでした。

国際柔道連盟の副会長就任

1999年からは国際柔道連盟の副会長、さらにアジア柔道連盟の会長に就任し、彼のリーダーシップのもとでアジアジュニア選手権が開始され、若い選手たちの育成が進められました。彼の学問的なアプローチは、柔道が科学的に研究されることにも寄与しました。

竹内は『論説柔道』や『詳解 柔道のルールと審判法』など、多くの著書を残し、その「形稽古」や柔道の科学的な研究も行い、多くの論文を発表しました。彼は後世の柔道研究者を育成することにも尽力し、講道館柔道科学研究会の運営にも関わりました。

晩年と逝去

2006年の5月14日、竹内はアジアジュニア選手権のために韓国の済州島を訪れていた際、心不全により急逝しました。その死は、彼が生涯をかけて柔道の普及に尽力してきた証であり、名誉ある最期であったと言えます。葬儀には多くの著名人が参列し、彼の功績が広く称えられました。その祭壇には、追贈された九段証と赤帯が供えられ、多くの人々に惜しまれました。

竹内善徳の生涯は、柔道の発展と国際的な普及に取り組んだ偉大な代表者として、多くの後進たちに影響を与え続けています。彼の業績は今後も柔道界においてその存在を忘れられることはないでしょう。

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