竹内徹

竹内 徹: 日本の工学者・建築構造エンジニア

竹内徹（たけうち とおる）は、1960年生まれの日本の工学者であり、建築構造に特化したエンジニアです。東京工業大学で教授を務め、多岐にわたる研究を手がけている彼は、特に鋼構造、空間構造、そして耐震・制振・免震構造の分野で著名です。彼の研究は、実践的な構造デザインにおいてもその成果を発揮し、さまざまな建築物に応用されています。

略歴

竹内は1978年に都立新宿高校を卒業後、1984年に東京工業大学大学院で修士号を取得しました。その後は新日本製鉄株式会社の建築事業部で18年間にわたり多くの経験を積みました。1990年から1992年にかけては、イギリスのOve Arup & Partnersでの派遣勤務も経験しました。2003年には東京工業大学建築学専攻の助教授として就任し、2008年に教授に昇格しました。2023年には日本建築学会の会長に就任するなど、業界での影響力を強めています。

受賞歴

竹内の業績は高く評価されており、2000年には日本建築構造技術者協会JSCA賞の第11回新人賞を受賞しました。さらに、国際シェル・空間構造学会のTsuboi Award（2005年）、日本構造デザイン賞（2006年）、グッドデザイン賞金賞（2007年）など数多くの賞に輝いています。また、彼は日本建築学会の作品選奨を2009年、2012年、2013年に受けたほか、2011年には日本建築学会賞の論文部門でも栄誉を受けました。

著作

竹内は数多くの著作も手がけており、共著や編著の形で技術書を多数出版しています。例えば、2001年に出版された『建築鋼構造のシステム化』や、2004年の『高等学校工業科文科省検定教科書／建築構造設計』などがあります。2008年には『シェル・空間構造の減衰と応答制御』、2009年には『鋼構造座屈設計指針』といった書籍も発表しており、これらは建築や構造設計に関する重要な資料として広く参照されています。

主要な構造設計作品

竹内によって手がけられた構造設計の中には、著名な建築物も多くあります。1988年の第2新日鉄ビルから始まり、1998年には香港中環中心、2004年のちくほ図書館、そして2011年には東京工業大学附属図書館が完成しました。また、彼のデザインによる東京工業大学の環境エネルギーイノベーション棟（2012年）や緑が丘6号館（2013年）、また東急大井町線緑が丘駅（2013年）なども評価されています。

竹内徹の専門知識と情熱は、建築構造における革新を生み出し続け、今後も日本の建築業界において重要な役割を果たしていくことでしょう。

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