竹内昭夫

竹内昭夫: 日本の法学の巨星

概要

竹内昭夫（たけうち あきお、1929年4月29日 - 1996年12月26日）は、日本の商法および消費者法における権威として知られる法学者です。東京大学名誉教授としての経歴を持ち、法学博士（1962年）として「剰余金の資本組入」という研究をもってその名を広めました。消費者法という新たな分野を創設し、1996年には日本学士院の会員に選ばれ、紺綬褒章、紫綬褒章、勲二等瑞宝章を受章するなど、その功績は多岐にわたります。

人物像と経歴

竹内は愛知県知多郡阿久比村（現・阿久比町）で生まれました。旧制愛知県立半田中学校を卒業後、旧制第八高等学校文科乙類を経て、1949年に東京大学法学部政治学科に入学しますが、1950年に法律学科へ転科しました。1953年には東京大学法学部を卒業し、その同年に商法を専攻する前期研究奨学生として大学院に進学しました。

1956年には後期研究奨学生となり、1958年に助教授として法学部に着任。その後1962年には法学博士の学位を取得し、1968年には教授として昇進しました。1973年には松本賞を受賞し、彼の研究が認められました。

竹内は特に1976年に国会での発言「（公正なマルチとは）安全なペスト、無害なコレラと言うに等しい」で注目を浴び、これは今でもマルチ商法に対する批判として引用されています。1990年には東京大学を定年退職し、名誉教授の称号を得た後、筑波大学社会科学系の教授に就任しました。

受賞歴と業績

竹内は1973年に商法、証券取引法、消費者保護法に関する研究により松本賞を受賞しました。さらには1996年に紫綬褒章を受章し、社会に対する長年の貢献を認められています。彼の著書には『会社法の理論』や『株式会社法』などがあり、これらは後進の法学者にとって重要な参考資料となっています。

弟子たち

竹内のもとには多くの弟子が育ちました。関俊彦、大塚龍児、岩原紳作、神田秀樹、宍戸善一、弥永真生、神作裕之、吉原和志など、いずれも法学界で活躍しています。彼らは竹内から受けた影響を引き継ぎ、自らの研究や教育に貢献し続けています。

最期と影響

1996年には肺炎により文京区の病院で逝去しました。享年67歳という早すぎる別れでしたが、竹内が築いた消費者法や商法の基盤は今もなお多くの法学者に受け継がれ、発展を遂げています。日本の法学界における彼の存在は、永遠に色褪せることはありません。

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