竹内茂代

竹内 茂代の生涯と業績

竹内茂代（たけうち しげよ、1881年8月31日 - 1975年12月15日）は、日本の医師であり、政治家としての活動も行った先駆的な女性です。長野県南佐久郡原村（現在の川上村）に生まれた彼女は、庄屋を世襲していた家系に属し、元村長で元郡会議員の井出喜重の長女として育ちました。

医学の道への志

1907年に東京女医学校（現在の東京女子医科大学）を卒業した竹内は、女性としては27番目に医師免許を取得しました。この頃、彼女はすでに社会的な問題に関心を持ち、自殺を試みた原阿佐緒の治療を行うなど、専門的な医療に従事していました。その後、1916年には医師の竹内甲平と結婚し、1919年には新宿に井出医院を開業しました。

社会運動への関与

竹内は医業の傍ら、市川房枝らと共に社会運動にも参加しました。特に婦人参政権運動においては、財務理事を務めるなど、女性の権利向上に尽力しました。また、1933年には東京帝国大学から医学博士号を取得し、「日本女子の體質に関する研究」という論文を発表しました。

政治家としての活動

1946年には東京都第1区から第22回衆議院議員総選挙に出馬し、女性として初めて当選しました。この際、日本自由党に所属し、総務及び婦人部長として活躍しましたが、翌年に公職追放となってしまいました。その後、彼女は医療現場に専念し、文部省や厚生省の審議会に専門委員として参与するなど、医学と公衆衛生の発展に貢献しました。

教育者としての姿

竹内はまた、大妻専門学校の講師を務めるなど教育者としても活動し、次世代の女性たちに多くの知識と経験を伝えていきました。彼女は日本女医会の副会長や結核予防東京婦人委員会の副委員長など、様々な役職を歴任しながら医療の進展に寄与しました。

後年の業績と著作

1975年12月15日、茨城県水海道市の自宅にてその生涯を閉じました。竹内の著作には『初旅の北海道』や『一般家庭看護学』、『一般育児学』などがあり、医学や家庭生活に関する重要な知見を提供しました。彼女の著書は、戦前・戦中の日本において、医療や育児、家庭の衛生に関する貴重な資料として現在も多くの人々に読まれています。

竹内茂代の業績は、女性が医療分野や政治において積極的に役割を果たす道を切り開くものであり、彼女の生き様は今でも多くの人にインスピレーションを与えています。

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