竹内靖夫の電リク・ハローパーティー

文化放送で、2005年10月から2009年7月まで放送されたラジオ番組、それが「竹内靖夫の電リク・ハローパーティー」です。メインパーソナリティは、当時の文化放送アナウンサーであった竹内靖夫氏。彼は番組内で「バンブーさん」や「妄想竹内」といった愛称で親しまれました。パートナーは同じく当時の文化放送アナウンサー、石川真紀氏が務め、「まきぴょん」や「秋田弁の達人」といった多様な別名でリスナーに知られていました。

番組の成り立ちとコンセプト

この番組は、竹内アナが過去に担当したナイターオフ期の「電リク」形式の番組を受け継ぎつつ、1969年から1975年にかけて放送された文化放送の看板番組「ハローパーティー」を復活させた企画でした。「主役は音楽！それが『電リク』です!!」をスローガンに掲げ、リスナーからの電話を中心としたリクエストに応えるスタイルを基幹としていました。番組の歴史は竹内アナの過去の電リク番組にまで遡ることができ、長年にわたりリスナーとの交流を大切にしてきた姿勢がうかがえます。2008年2月28日には、竹内アナ担当の電リク番組として通算放送回数300回を達成しました。

放送期間と時間帯

本番組は、主にプロ野球のオフシーズンである10月から翌年3月にかけて、平日の夕方から夜にかけて放送される帯番組でした。放送時間は基本として18:00から21:00までの3時間でしたが、年度や曜日によって若干の調整がありました。特に、番組開始時間の18:30から19:00までの30分間は、全国ネットの内包番組「ミュージックギフト〜音楽・地球号」が放送されました。金曜日のみ、「竹内靖夫のハローウィークエンド」として放送された時期もありました。

ナイターオフ期間が原則でしたが、例外的にナイターシーズン中にも放送されることがありました。2007年と2009年には、「月イチ電リク」と称して月1回程度の頻度で、平日夜のライオンズナイター中継枠を利用して単発放送されました。また、2009年の年明けには、日曜午後のワイド番組が急遽終了したことに伴い、後番組が開始するまでのつなぎとして、特別版の「竹内靖夫の電リク・ハローパーティー増刊号」が放送されました。

番組の特徴とリクエストのポリシー

「電リク・ハローパーティー」は、リスナーからのリクエスト曲を可能な限り大切にするポリシーを持っていました。リクエストされた楽曲は基本的にフルコーラスでオンエアされました。特筆すべきは、リクエストの有効期間が非常に長かった点です。「番組が継続する限り有効」とされ、シーズンをまたいで1年以上経過してからリクエストが採用されることも珍しくありませんでした。また、レコード音源のリクエストに対応するため、必要な機材が使用できる日にまとめて放送するなどの工夫もされていました。万が一、音飛びやかけ間違いが発生したり、臨時ニュースなどで楽曲が中断されたりした場合には、必ず後日改めてかけ直すという丁寧な対応を徹底していました。

原則として、同じシーズン内では同じ楽曲を複数回オンエアしない方針でしたが、「金太の大冒険」「目蒲線物語」「尾崎家の祖母」「トンバで行こう」といった一部の楽曲は、毎シーズン必ずオンエアされる慣例がありました。特に「トンバで行こう」は、シーズン最終日のフィナーレを飾る曲として使われていました。電話によるリクエスト受付では、担当の女子大生オペレータと1分間までであれば自由に雑談できるという、番組独自の特典がリスナーに好評でした。

主なコーナーとタイムテーブル

番組は時間帯によって様々なコーナーで構成されていました。18時台にはその日のニュースを解説する「夕刊ピックアップ」や「交通情報」などが配置され、19時以降はリクエストに答える「ハローパーティパート」が中心となりました。途中には新商品やイベント関係者を招く「スタジオへようこそ」や、リスナーへの生活提案や情報を発信する特集コーナー「大人の遊び場」がありました。「大人の遊び場」は曜日ごとにテーマやスポンサーが設定され、火曜日にはおもちゃ・コレクターの北原照久氏が出演するなど、多彩な内容が展開されました。20時台には「みんなのエコ広場」や、年末年始にかけて「箱根駅伝への道」といった期間限定コーナーも放送されました。

日曜日に放送された増刊号では、平日のレギュラーコーナーに加えて、パートナーの石川真紀氏が自身の名を冠した競馬中継コーナー「石川真紀の走れ！イシカワマキバオー!!」を担当しました。このコーナーでは、石川アナが予想した馬券を実際に購入し、当選金が出た場合はリスナーにプレゼントするという企画が人気を集めました。

リスナーとの交流組織「つうかぁ隊」

2006年のオフシーズンには、リスナーとの繋がりを強化するための非公式組織「つうかぁ隊」が結成されました。これは、番組内で生じた疑問や質問をリスナーの知恵を借りて解決したり、番組関係者とリスナー間の親睦を深めたりすることを目的としたものです。入隊は希望を表明するだけで可能で、年齢やリスナー歴に関わらず誰でも参加できました。隊員には番号が割り振られ、希望者はユニークな役職名を名乗ることもできました。竹内アナや石川アナも隊員として参加し、番組ホームページには隊員名簿が掲載されました。特別な権利はありませんでしたが、番組を共に作り上げ、楽しむためのコミュニティとして、0歳から80歳代まで幅広い年齢層のリスナーが参加し、番組を支えました。

「竹内靖夫の電リク・ハローパーティー」は、2009年 7月17日の放送をもって惜しまれつつ終了しました。その後、2009年秋のナイターオフ期からは後継番組「センパツ！」がスタートしています。リスナーとの密接な関係と、音楽を大切にする姿勢は、文化放送の電リク番組の歴史において特筆すべきものでした。

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