竹本土佐太夫

竹本土佐太夫について

竹本土佐太夫（たけもと とさたゆう）は、義太夫節の重要な太夫の名跡であり、その歴史は複数の代を経て継承されてきました。この名跡は、伝統的な日本の人形劇や浄瑠璃において高く評価されており、各代の太夫たちはその活動を通じて日本の文化に大きな影響を与えてきました。

初代竹本土佐太夫

主にどういった背景で成立したかを知るためには、初代の経歴を辿ることが重要です。初代は、通称“大和屋久兵衛”として知られ、2代目竹本政太夫の門下で活動し、房太夫の名で知られていた時期もあります。彼は寛延年間に活動を始め、政太夫死後の襲名を巡る争いにも関与しましたが、最終的には政太夫を襲名せず、1767年に再び房太夫の名を用いました。その後は引退を迎えました。

2代目から4代目までの流れ

2代目についても、詳細はあまり記録されていませんが、後に竹本播磨大掾として活躍したことが知られています。3代目は生年が不明ですが、19世紀前半に活動した方であり、一方、4代目は1803年生まれで1900年に亡くなった方です。本名は粟岡又兵衛で、大阪を拠点に活動していました。彼は名古屋で義太夫を教授し、その後名古屋に移住。最終的には、竹本土佐太夫から豊竹土佐太夫に改名し、97歳で亡くなりました。

5代目の成り立ち

5代目は、1847年生まれの桜井惣兵衛という本名を持ち、名古屋の料亭に生まれました。若い頃から浄瑠璃の道に進み、名人たちからの指導を受けました。この方は維新後に浄瑠璃の道に本格的に戻り、数度の改名を経た後、1895年に五代目竹本土佐太夫を名乗りました。彼は、弟子の中には後に名を成す豊竹呂昇を見出したことでも知られています。

6代目竹本土佐太夫

次に、6代目は1863年生まれの南馬太郎です。高知出身で、若い頃に上京し、3代目竹本大隅太夫の門下で学びました。その後、数々の劇団で活躍し、1926年に6代目土佐太夫を襲名しました。彼はその才能により、同時代の巨頭と称賛されました。晩年は庵に入って茶や画を楽しみました。

7代目とその影響

最後に、7代目竹本土佐太夫は1894年に生まれ、高知県出身です。彼は昭和の文楽界でその美声で知られ、一度素人浄瑠璃で名を上げた後、プロの世界に入ります。彼は初舞台で素晴らしい声を披露し、多くのファンを魅了しました。戦後には「三和会」にも参加し、1954年に七代目竹本土佐太夫を襲名しました。

このように、竹本土佐太夫の名跡は、多様な才能と背景を持つ太夫たちによって受け継がれ、現代に至るまでその伝統は脈々と続いています。彼らの活動は、義太夫節の発展と普及に大いに寄与しており、その功績は日本の伝統芸能にとって欠かせないものとなっています。

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