竹本津賀太夫

竹本津賀太夫の系譜と歴史

概要

竹本津賀太夫は、義太夫節の著名な太夫の名跡であり、その歴史は初代から六代目まで続いています。この名跡は、竹本綱太夫系の太夫として広く認識されており、毎代が演じた作品や芸風が、義太夫の発展に寄与してきました。以下に、竹本津賀太夫の各世代の詳細やその活動を紹介します。

初代竹本津賀太夫

初代竹本津賀太夫は疑いなくこの名跡の始まりで、宝暦13年（1763年）に生まれ、天保8年（1837年）に亡くなりました。彼は二代目竹本綱太夫の弟子として名を成し、初めは「納屋徳」として知られていました。最初の出座は1801年で、以降大坂や江戸の芝居で活躍し続けました。特に、江戸に下った際には、「桂川連理柵」などの演目で評判を得、義太夫節の再興に寄与しました。

二代目竹本津賀太夫

二代目竹本津賀太夫は、寛政11年（1799年）に生まれ、明治14年（1881年）に亡くなりました。彼は初代竹本寿太夫から襲名し、三代目竹本綱太夫の門弟となりました。その後、彼はチャリ語りの名人となり、名古屋や大阪で多くの演目を披露しました。彼の才能は特に「日本第一骨芸物語」などで発揮され、多くの支持を受けました。

三代目竹本津賀太夫

三代目竹本津賀太夫は年代不詳ですが、明治6年（1873年）に亡くなった新進の太夫でした。彼は本名を長谷川安兵衛とし、四代目竹本むら太夫の弟子として活動を始め、最終的に三代目津賀太夫を襲名しました。彼のステージは、義太夫節の発展に大きく貢献しました。

四代目竹本津賀太夫

四代目竹本津賀太夫は、初代竹本美尾太夫を名乗った後、竹本濱太夫を経て四代目を襲名しました。彼は明治17年春に活動を始め、明治23年に函館で亡くなりました。その芸は、義太夫として非常に高く評価されていました。

五代目竹本津賀太夫

五代目は安政3年（1856年）に生まれ、明治32年（1899年）に亡くなりました。彼は竹本小組太夫を名乗り、多くの師に学んで成長しました。彼の襲名イベントは、明治19年に東両国の井生村楼で行われ、多くの人々が集まりました。

六代目竹本津賀太夫

六代目は慶応元年（1865年）に生まれ、昭和19年（1944年）に亡くなりました。本名は米谷安蔵。「伽羅先代萩」などの得意演目があり、義太夫因会の会長としても知られています。彼の活動は、義太夫の保存と発展に重要な役割を果たしました。

忘れられない名跡

竹本津賀太夫の名跡は、義太夫節の伝承と進化を示す重要な系譜であり、各代の太夫が営々と紡いできた歴史が今も受け継がれています。今日の義太夫に与えた影響は計り知れず、後世の芸術家たちにも大きな刺激を与え続けています。

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