竹本蟠龍軒

竹本蟠龍軒について

概要

竹本蟠龍軒（たけもと ばんりゅうけん）は、日本の伝統芸能である義太夫節において重要な太夫名跡の一つで、江戸中期から三代にわたって継承されてきました。この名跡は、初代と二代目が竹本津太夫を名乗った後に素人として活動したことから名付けられ、三代目は初代の孫として位置付けられています。三代目は、初代の血を引く竹本綱太夫の弟子であり、竹本綱太夫系の名跡として知られています。

竹本蟠龍軒は、定紋として初代と二代目が釜敷梅鉢の紋を、三代目は抱き柏を使用しています。近年は、竹本蟠竜軒とも表記されることがあるものの、竹本幡龍軒という書き方は誤りとされています。

墓所

竹本蟠龍軒の墓は京都の大谷本廟内にある本寿寺に存在し、墓石には抱き柏の紋が彫られています。残された碑には「明治十九年十月 吉田亀助建立」と記されており、これにより墓が三代目のものである可能性が示唆されています。しかし、初代や二代目の供養塔としても解釈されているため、詳細は不明です。

初代竹本蟠龍軒

初代は、二代目竹本綱太夫の弟子として名を馳せ、商業活動としては京都で唐鳥屋を営んでいました。彼は、師匠の名を名乗るために「津」の字を取り、竹本津太夫として出発しましたが、事故により耳が不自由になった後、竹本蟠龍軒を名乗りました。素人としての活動では、大成し素人の大関にまで上り詰めました。彼の出座歴には、特に文政年間の公演情報が多数存在します。

二代目竹本蟠龍軒

二代目は、父から名跡を受け継いだ小鳥屋松蔵です。初代と同様に商売を営みながら、プロの太夫として活動していましたが、後に素人名「鳥枩」として名を馳せました。二代目は、安政の時代を中心に出座を行い、家庭の事情から一時的に活動を休止することもありましたが、再び竹本津太夫として名乗り活動を再開しました。彼はその後、二代目竹本蟠龍軒としても知られ、最終的に専門職としての太夫に戻り活動を続けました。

三代目竹本蟠龍軒

三代目は、初代と二代目の血を受け継いだ太夫で、四代目竹本濱太夫の門弟として名を上げていきました。彼もまた、京で活躍した太夫であり、名跡を襲名するにあたって素人時代からの背景を持っていました。彼の活動は、初代と二代目の名跡を引き継ぎ、義太夫の世界での重要な存在として位置付けられました。

結論

竹本蟠龍軒は、義太夫節において重要な名跡であり、代々の太夫たちがどのようにしてこの名跡を育ててきたのかは、日本の伝統芸能の変遷を理解する上で重要な要素となっています。今後もこの名跡が継承され続けることが期待されます。

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