竹橋事件

竹橋事件について

竹橋事件（たけばしじけん）は、1878年8月23日に発生した、日本の大日本帝国陸軍による武装反乱事件です。この事件は竹橋附近で起こり、近衛部隊の士卒たちが士官の決定に不満を持ち、反乱を起こしたことが特徴です。この反乱は竹橋騒動や竹橋の暴動とも呼ばれています。

背景

事件の動機は、士卒たちの待遇に対する不満からでした。特に西南戦争の影響で財政が削減される中、行賞の減額が不満の種となっていました。また、退職金の廃止や徴兵免除の問題も士卒たちの怒りを増幅させました。特に、大隈重信が行賞削減を提案していたため、彼の邸宅が攻撃の標的とされました。

反乱を企てたのは、近衛砲兵大隊の長島竹四郎や小島萬助、また近衛歩兵部隊の三添卯之助など、多くの士卒たちです。彼らは友情を深める中で、誤った情報の拡散と兵士同士の不信感が高まり、計画的な反乱の準備を進めていきました。この反乱の進行中、彼らは合図や暗号を用いるなどして組織化を図りました。

事件の経過

午後11時、竹橋部隊の反乱兵259名が蜂起しました。彼らは山砲を用いて攻撃を開始し、警察の指導者たちを殺害しました。一方で、東京鎮台予備砲隊の岡本少佐は、静観の姿勢を選び、反乱に参加しませんでした。

反乱軍は近衛歩兵部隊と銃撃戦を展開しながら、大隈重信の邸宅に放火を行いました。この一連の戦闘では、反乱軍側と鎮圧軍側で多くの死傷者を出し、捕縛される者も続出しました。

反乱の最中、反乱軍は天皇の仮皇居に向かいましたが、近衛歩兵隊により阻止されました。兵士たちの士気は低下し、自決を選ぶ者も出る中、午前1時半までには全員が武装解除し、自首しました。

影響

事件後、陸軍裁判所では迅速に逮捕者への尋問が行われ、約394名が処罰を受けました。この事件をきっかけに、日本陸軍では軍人の思想統一や秩序維持の必要性が叫ばれ、憲兵の創設や皇宮警察の設立にもつながります。また、メディアはこの事件を詳細に報道し、当時の社会に大きな影響を与えました。

竹橋事件は、当時の政治状況と士兵の立場を象徴する出来事とも言え、民権思想の影響も指摘されています。その後の日本の軍の体制や社会における軍の位置付けにも、長期的な影響を残しました。

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