竹田恒徳

竹田恒徳王の生涯と功績

竹田恒徳（たけだ つねよし、1909年3月4日 - 1992年5月11日）は、明治天皇の初孫であり、日本の旧皇族の一員です。彼は陸軍中佐として戦争に従事し、後にスポーツ界で数々の功績を残しました。

早年期と陸軍軍人としての道

竹田恒徳は、両親からの深い愛情に包まれて育ちました。生まれながらにして皇族の血を引く彼は、陸軍軍人の道を選び、学習院から陸軍幼年学校、さらに陸軍士官学校予科に進学。1930年には陸軍士官学校（42期）を卒業し、騎兵部隊での活動を始めました。彼の同期には朝鮮公族の李鍵公がいるなど、国際的な関わりもありました。

恒徳は特に馬術に秀でており、陸軍騎兵学校の教官としても知られています。1938年には陸軍大学校（50期）を卒業し、日中戦争の開戦を契機に前線での指揮を志願しました。実際に戦場に赴くことは叶わなかったものの、満州で騎兵連隊の指揮官として任命され、数多くの戦禍を経験しました。

第二次世界大戦と戦後の活動

太平洋戦争中は、大本営参謀としてフィリピンやガダルカナルでの戦闘に関与。「宮田参謀」という名前で秘匿活動を行っていた恒徳は、危険を顧みず前線視察を試みるなど、任務に真剣に取り組みました。彼の軍歴は、1945年の終戦を経て劇的な変化を迎えます。戦争が終わると、天皇特使として満州へ赴き、停戦命令を伝えました。

終戦後の1947年、恒徳は皇籍を離脱しました。この際、宮家の状況を鑑みて、特に抵抗はなかったと伝えられています。離脱後は日本スケート連盟の会長を務めるようになり、皇族としての生活からスポーツ界に転身していくこととなります。彼自身、若い頃からスポーツに興味を持ち、特に馬術に情熱を注いでいました。

スポーツ界での影響力

竹田恒徳は日本体育協会や日本オリンピック委員会など、数々のスポーツ関連団体で高い地位にありました。特に1964年東京オリンピックと1972年札幌オリンピックの招致に尽力しました。また、体育の日制定にも関わる等、スポーツ振興に大きく寄与しました。

家族とその後

家庭では、三条公輝公爵の次女と結婚し、3男2女をもうけました。彼の子供たちはそれぞれの分野で活躍し、特に恒正王は竹田家の現当主として注目を集めています。また、恒徳の孫たちもスポーツ界での遺産を受け継いでいます。

竹田恒徳は1992年に寿命を全うしましたが、彼の影響力は今でも多くの人々に残っています。彼の生涯は日本の歴史の中で、皇室と陸軍、さらにはスポーツという異なる文化を結びつけた特異なものでした。

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