竹田車庫

竹田車両基地

概要

京都市伏見区竹田西段川原町に所在する竹田車両基地は、京都市営地下鉄烏丸線が利用する重要な施設です。この車両基地は、烏丸線を運行する電車たちの日常的なメンテナンス、検査、修理、そして夜間の留置などを一手に引き受けています。京都市南部に位置し、烏丸線の終点の一つである竹田駅の北西方向に広がる広大な敷地を有しており、その面積はおよそ67,671平方メートルにも及びます。

歴史

竹田車両基地の歴史は、京都市営地下鉄烏丸線の延伸計画と深く関わっています。烏丸線は開業当初、全区間が地下を走行しており、地上に大規模な車両基地を設ける場所が限られていました。そのため、1988年に烏丸線が京都駅から竹田駅まで延伸されるまでは、本格的な地下鉄車両基地というものが存在しなかったのです。路線の延伸に合わせて、竹田の地に新たな車両基地を建設する計画が進められました。

そして、1988年6月11日、烏丸線の京都～竹田間延伸開業と同日に、竹田車両基地は正式に運用を開始しました。基地が完成する以前は、新たに導入される烏丸線用10系電車などを搬入する際、地下区間を経由するという特殊な方法が取られていましたが、基地の完成以降は、車両が地上から陸送され、直接基地内に運び入れられるようになり、車両搬入の効率が大幅に向上しました。

施設と構造

竹田車両基地は、広大な敷地内に多数の留置線や検修庫などを備えています。しかし、その線路配置には一つの大きな特徴があります。それは、車両が竹田駅と基地との間を出入りする際に、進行方向を変える必要があるという点です。具体的には、基地と竹田駅を結ぶ入出庫線は、くいな橋駅の近くに設けられた引き上げ線に繋がっており、基地から駅へ向かう車両、あるいは駅や本線から基地へ戻る車両は、この引き上げ線を利用してスイッチバックを行う必要がある構造になっています。このような配線は、敷地の形状や周辺の地理的制約などを考慮して設計された結果と考えられます。

車両基地内では、電車の定期的な点検や検査、故障時の修理、清掃などが日々行われており、烏丸線の安全かつ安定した運行体制を支える上で不可欠な役割を担っています。

所属車両

竹田車両基地には、京都市営地下鉄烏丸線で運用されている主力車両が配置されています。主な所属車両は以下の通りです。

京都市交通局10系電車: 烏丸線開業当初から活躍している車両で、現在も改良工事などを経て運用されています。
京都市交通局20系電車: 近年導入が進められている新型車両で、バリアフリーや快適性の向上が図られています。

これらの旅客車両の他に、基地構内での車両移動や作業に使用される機械扱いの車両も配置されています。具体的には、日本輸送機によって製造された車両移動機があり、これらの車両には車籍がありません。

周辺情報

竹田車両基地の最寄り駅は、その名の通り京都市営地下鉄烏丸線と近鉄京都線が乗り入れる竹田駅です。また、スイッチバックに使用される引き上げ線が位置する関係で、基地へのアクセスに関連する駅として、烏丸線のくいな橋駅も挙げられます。基地はこれら駅の周辺に位置しており、京都市南部の交通の要衝に近い立地となっています。

竹田車両基地は、烏丸線の運行を裏側から支える重要な施設として、今日もその役割を果たしています。

関連項目

* 日本の車両基地一覧

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