笑ってよムーンライト

「笑ってよムーンライト」は、1983年5月21日に発売された美空ひばりのシングルです。作詞は来生えつこ、作曲は来生たかおという姉弟コンビが手掛け、編曲とプロデュースは坂本龍一が担当しました。来生たかおは以前から美空ひばりへの楽曲提供を熱望しており、この作品でその夢が実現しました。

周囲からは大ヒットが期待されましたが、結果としてその予測は外れました。しかし、来生自身はこの曲を名曲であると自負しています。レコーディングの際、美空ひばりは鮮やかな赤いスーツ姿でスタジオに現れ、来生たかおと坂本龍一は感激したそうです。レコーディング自体もスムーズに進み、来生はひばりのプロ意識に感銘を受けました。

また、来生姉弟が目黒にある美空ひばりの邸宅を訪れた際のエピソードも残っています。来生はひばりにジャズナンバーをもっと歌ってほしいと懇願したところ、ひばり自身もジャズを歌いたいという希望を持ちながらも、ファンや観客のニーズとのギャップから実現が難しいという悩みを打ち明けたそうです。

シングルには、「笑ってよムーンライト」と「まなざしの彼方」の両A面として収録されており、どちらも作詞：来生えつこ、作曲：来生たかお、編曲：坂本龍一という同じ布陣で制作されています。

この楽曲は、1984年9月1日発売のアルバム「水仙の詩／美空ひばり 〜美空ひばり ポップスを唄う〜」にも収録されています。アルバムには、「水仙の詩」と題された中村メイコ作詞、神津善行作曲、神津善行・佐々永治編曲による4曲も収録されています。

アルバムの収録曲は以下の通りです。

水仙の詩・哀しみにつよく
水仙の詩・雪を抱いて
水仙の詩・わたしは小鳥
水仙の詩・逢いたかった あなたに
あなたでなければ（作詞：来生えつこ、作曲：来生たかお、編曲：坂本龍一）
笑ってよムーンライト
まなざしの彼方
昴（谷村新司のカバー）
恋人よ（五輪真弓のカバー）
ラヴ・イズ・オーヴァー（欧陽菲菲のカバー）

このアルバムでは、美空ひばりが様々なジャンルの楽曲に挑戦していることがわかります。特に「笑ってよムーンライト」は、来生姉弟のメロディセンスと坂本龍一のアレンジが光る、ひばりの新たな一面を引き出した楽曲として、今もなお多くのファンに愛されています。

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