笑福亭仁幹

笑福亭 仁幹

笑福亭 仁幹（しょうふくてい にかん）氏は、1955年6月3日に大阪市で生まれた落語家です。本名は西河 保（にしかわ たもつ）といいます。

略歴

大阪府立茨木工業高等学校（現在の大阪府立茨木工科高等学校）を卒業後、社会人として鉄工所や造船所など、ものづくりの現場で様々な職務を経験しました。これらの多様な経験を経て、1977年4月、落語の世界へ足を踏み入れ、上方落語界の重鎮である笑福亭仁鶴師匠に入門しました。

落語家としての歩みと現在の活動

入門後は、師匠である笑福亭仁鶴氏のもとで落語の修行に励みました。所属は吉本興業グループのかつての名称であるよしもとクリエイティブ・エージェンシーでした。また、上方落語協会の会員でもあります。

かつては、結婚披露宴の司会やその場を盛り上げる余興などを担当するなど、様々な活動を行っていました。また、朝日放送ラジオの番組「ポップ対歌謡曲」ではリポーターとしても活躍しました。

現在の笑福亭仁幹氏は、従来の落語家としての高座出演は非常に少なくなっています。その活動の中心は、なんばグランド花月（NGK）の正面に位置する「吉本キャラクター人形焼カステラ本店」の経営です。ここでは、吉本の人気キャラクターをかたどった人形焼カステラを販売しており、NGKを訪れる多くの人々にとって定番のお土産となっています。落語家という枠を超え、事業家としての手腕を発揮しています。

ユニークな発想によるグッズ考案

また、笑福亭仁幹氏は、そのユニークな発想を活かし、様々なオリジナルグッズの考案者としても知られています。1998年には、横山やすし・西川きよしや坂田利夫といった人気タレントを起用した「よしもとギャグキーホルダー」を生み出しました。さらに、1999年には「吉本キャラクターゴルフボール」を、2000年にはプロ野球の読売巨人軍の選手、例えば長嶋茂雄氏や松井秀喜氏などの声が入った「巨人軍ボイスキーホルダー」を考案するなど、多岐にわたる分野でヒット商品を世に送り出しました。これらのグッズは、多くのファンに親しまれました。

芸名に込められた願い

「仁幹」という芸名は、師匠である笑福亭仁鶴氏によって名付けられました。この名前には、「落語界における大きな幹となり、しっかりと根を張り、上方落語界を支える存在になってほしい」という師匠からの温かい願いと期待が込められています。その名前の通り、現在の活動は高座という枝葉にとどまらず、事業という太い幹としても、上方芸能、特に吉本興業の拠点であるNGKを支える重要な役割を果たしています。

このように、笑福亭仁幹氏は、落語家としての基礎を持ちながらも、事業経営や商品開発といった多方面でその才能を発揮し、独自の道を歩んでいます。落語界の伝統を受け継ぎつつ、現代のニーズに応える新しい形の活動を展開する、稀有な存在と言えるでしょう。

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