笑福亭右喬

笑福亭右喬（しょうふくてい うきょう）は、1974年1月17日に大阪市鶴見区で生まれた落語家です。本名は前之園 誠（まえのその まこと）といいます。

地元の大阪市立汎愛高等学校を卒業後、1992年8月に6代目笑福亭松喬に入門しました。師である6代目松喬は、上方落語界を代表する噺家の一人でした。右喬氏は松竹芸能に所属しており、上方落語協会の会員としても活動しています。高校時代には、後に同じく松竹芸能に所属し、人気お笑いコンビとなるよゐこの2人が2学年上に在籍していました。

落語家としての活動の一方で、落語家仲間による草野球チーム「モッチャリーズ」にも参加しており、親睦を深めています。

その活躍は評価されており、2013年には「第8回繁昌亭大賞」において爆笑賞を受賞しました。これは、その年の上方落語界において特に話題となった演目や活動を行った落語家に贈られる賞であり、右喬氏の芸が多くの観客や関係者から支持されたことを示しています。

人物像として、特に兄弟子である7代目笑福亭松喬からは、なぞかけを得意としていると評されています。実際、2012年に皆既日食や中国とのレアアース問題が世間の注目を集めていた時期に開催された落語会での大喜利において、その腕前を披露しました。この時の司会は、当時三喬を名乗っていた7代目松喬でした。右喬氏は、「日食」にかけて「レアアース問題」と説き、「その心は、日中に陰りが出だします」と見事ななぞかけを披露しました。このなぞかけは、ABCラジオの番組内で7代目松喬によって紹介されましたが、その際に「それだけ上手ななぞかけができるのに、なぜ落語ができないのか？」とユーモラスに突っ込まれたエピソードも語られています。

また、個人的な一面として、実家では非常に多くの猫を飼っていることが知られており、その数は実に32匹にも及ぶといいます。これは、動物好きである右喬氏の温かい人柄を垣間見せるエピソードと言えるでしょう。

師匠である6代目松喬との間の、微笑ましいやり取りも伝えられています。例えば、「小児科」をうっかり「こじか」と読み間違えてしまい、師匠から「そんな、子鹿専門の医者などいるわけがないだろう！」と厳しくも愛情のある叱責を受けた、といったエピソードは、師弟関係の温かさを物語っています。

笑福亭右喬氏は、上方落語の伝統を受け継ぎつつ、なぞかけのような独自の強みも持ち合わせています。様々なエピソードから伝わる親しみやすい人柄も魅力の一つであり、今後のさらなる活躍が期待される落語家です。

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