笑福亭松枝

笑福亭 松枝

「笑福亭 松枝（しょうふくてい しょうし）」は、上方落語において代々受け継がれる名跡の一つです。その歴史を示す明確な史料は多くなく、代数については定かではありませんが、これまでに三人程度の落語家がこの名を名乗ったと伝えられています。

過去に名を継いだ人物としては、アマチュア時代に四代目桂米團治などから稽古を受け、後に五代目笑福亭松鶴師匠の門下に入って「松枝」を名乗った人物が知られています。この方は本名を永田といい、後に落語家を廃業して東京へ移住したとされています。

現在の笑福亭 松枝師匠

現在、「笑福亭 松枝」の名を継いで活躍されているのは、1950年（昭和25年）11月20日生まれの落語家です。大阪府貝塚市のご出身で、本名は秦 富男（はた とみお）。大阪府立岸和田高等学校をご卒業されています。血液型はAB型。現在は松竹芸能に所属しています。

学生時代に深夜放送ラジオに強く影響を受け、落語家を志しました。高校卒業後、実家からほど近かった六代目笑福亭松鶴師匠に入門を願い出、1969年（昭和44年）3月に正式に弟子入りしました。翌1970年には、大阪・道頓堀角座にて初舞台を踏んでいます。

長年にわたる芸の研鑽が認められ、1999年（平成11年）には文化庁芸術祭演芸部門で優秀賞を受賞しています。

上方落語協会においても重要な役割を担っており、同協会の会員であると共に、番組編成委員長や調査委員長といった要職を務めています。出囃子には「早船」を使用しています。現在は堺市に在住し、地域に根差した活動としていじめ問題への取り組みなども行っています。

家族としては、長女が歌手のマリとして知られており、バンド「マリ&ライダーキャットJun」のメンバーとして2008年1月23日にメジャーデビューも果たしましたが、現在はバンドは解散しています。

師匠である六代目笑福亭松鶴からは、四代目笑福亭梅鶴の名跡を預かっていますが、ご自身での襲名はされていません。なお、「梅」の字は、かつて鳶職だった弟子である笑福亭飛梅に与えられています。

過去の主な出演番組

ラジオを中心に、多数の番組でレギュラーを務めていました。

• - 鶴三・松枝の歌謡ひる亭（ラジオ関西）
• - 鶴三・松枝のサテスタ歌謡フルコース（ラジオ関西）
• - 歌うサテスタ ヤぁ ヤぁ ヤぁ!（ラジオ関西）
• - やる気満々藤本永治です(毎日放送)
• - ふれあいスタジオ ひるは夢色 ラジオ色（西日本放送）

著書

落語に関する著書も出版しています。

• - 『ためいき坂くちぶえ坂 松鶴と弟子たちのドガチャガ』（浪速社, 1994年12月）
• - 『当世落語家事情』（弘文出版, 1997年2月）
• - 『笑福亭松枝の世相落し噺100 落語は人生・社会のナビゲーション』（浪速社, 2008年6月）

弟子

現在、門下には複数の弟子がいます。

• - 笑福亭松五
• - 笑福亭飛梅
• - 笑福亭縁

また、過去には笑福亭竹吉という弟子もいましたが、すでに廃業しています。

関連事項

上方落語や、師匠である六代目笑福亭松鶴を中心とする松鶴一門に深く関わっています。

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