笑福亭里光

笑福亭里光（しょうふくてい りこう）は、1973年11月18日に兵庫県西宮市で誕生した日本の落語家です。本名を堀景太郎といいます。上方噺家の系統に属しながらも、主な活動の場を東京に置いており、公益社団法人落語芸術協会に所属する真打として活躍しています。

大学時代、日本大学文理学部の社会学科で学び、1998年3月に卒業しました。落語家を志すにあたり、最初に相談を持ちかけたのは四代目桂文我でした。しかし、文我のもとでの入門は叶わず、その後、同年6月に笑福亭鶴光に師事することになりました。鶴光の弟子としては、東京で最初に弟子入りした人物としても知られています。

師匠・笑福亭鶴光の薫陶を受けながら研鑽を積み、2002年7月には二つ目に昇進を果たしました。そして、入門から約14年後の2012年5月、落語家としての大きな節目となる真打昇進を果たしました。この時、同時に真打に昇進した同期には、四代目春風亭愛橋、十一代目柳亭芝楽、春風亭柳城、瀧川鯉橋といった面々がいます。里光の真打昇進披露の口上には、かつて入門を断られた四代目桂文我も列席し、その門出を祝福したというエピソードは、落語界における温かい交流を示すものとして語られています。

笑福亭里光という高座名については、上方では「りこ」という本来の呼び方で呼ばれることもあります。上方落語の大家である笑福亭松鶴の流れを汲む一門に連なる噺家ですが、上方落語協会には所属せず、独自の立場で活動を展開しています。

東京の寄席を中心に高座を務める傍ら、様々な活動にも積極的に取り組んでいます。特に、落語芸術協会所属の若手真打四名で結成されたユニット「ヨセゲー」のメンバーの一人でもあることが挙げられます。このユニットには、里光のほか、春風亭傳枝、三遊亭遊喜、柳亭芝楽が名を連ねており、新しい企画や活動を通じて伝統的な落語の世界に新たな風を吹き込む試みとして注目されています。

インターネット上でも、ブログ「小っちゃい男の大きな思い込み」を執筆しているほか、X（旧Twitter）、Facebook、YouTubeチャンネルなどを通じて積極的に情報発信を行っており、ファンとの交流や落語の普及に努めています。特にYouTubeチャンネル「笑福亭里光らくごチャンネル」や、瀧川鯉太、柳亭芝楽との共同チャンネル「襤褸屋」では、落語や関連するコンテンツを配信しています。

上方落語をルーツに持ちながら東京を活動拠点とするというユニークな立ち位置で、古典落語はもとより、自身の感性を生かした落語にも取り組み、観客を惹きつけています。その柔軟な姿勢と意欲的な活動は、これからの落語界を担う存在として、さらなる飛躍が期待されています。

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