笑顔と涙の遠い道

『笑顔と涙の遠い道』は、昭和を代表する歌手、美空ひばりが1964年9月5日にリリースしたシングルです。この楽曲は、日本コロムビアから発売され、A面には同名の『笑顔と涙の遠い道』、B面には『さよならの向うに』が収録されています。

概要

A面曲である『笑顔と涙の遠い道』は、TBSテレビで放送された「美空ひばり劇場」の主題歌として制作されました。1965年4月6日から27日にかけて放映されたドラマ「出雲のお国」でも使用され、多くの人々に親しまれました。2012年に発売されたコンピレーションアルバム『にっぽん歌紀行』では、全都道府県をテーマにした楽曲が収録されていますが、島根県を代表する曲として、この『笑顔と涙の遠い道』が選ばれています。

一方、B面曲の『さよならの向うに』は、前作『髪』に引き続き、中村メイコと神津善行夫妻が手掛けた作品です。この曲は、美空ひばりが1989年2月7日に福岡県北九州市の九州厚生年金会館で行った生涯最後の公演でも歌唱されました。この時、『髪』や『夾竹桃の咲く頃』と共に歌われた『さよならの向うに』は、夜の部の最後に披露され、ひばりさんにとって生涯最後の歌声となりました。しかし、当時はこれが最後のコンサートになるとは誰も予想していなかったため、映像は残されていません。幸いにも、専属バンドの指揮者であったチャーリィ脇野氏がバンドの音をチェックする目的でカセットテープに録音しており、その音源が2005年にCD化され、貴重な記録として現在に伝えられています。

収録曲

1. 笑顔と涙の遠い道
作詞：関沢新一
作曲：原信夫
編曲：佐伯亮
2. さよならの向うに
作詞：中村メイコ
作曲・編曲：神津善行

このシングルは、美空ひばりの歌唱力と表現力を堪能できる作品であるとともに、彼女のキャリアを語る上で欠かせない重要な一枚です。特にB面曲の『さよならの向うに』は、ひばりさんの最後の歌声として、多くのファンにとって特別な意味を持っています。

脚注

楽曲に関する情報やエピソードは、音楽史の記録や関係者の証言に基づいています。

関連項目

* 1964年の音楽

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