笠井瑞丈

笠井瑞丈（かさい みつたけ、1975年 - ）は、日本のダンサーであり、その活動は多岐にわたります。舞踏家である笠井叡の三男として生まれ、幼少期をドイツで過ごしたことが、彼の独特な感性を育む上で大きな影響を与えました。

帰国後、父である笠井叡と山崎広太に師事し、ブレイクダンス、コンテンポラリーダンス、そして舞踏といった多様なジャンルのダンスを習得しました。これらの経験が、彼の表現の幅を広げる基盤となっています。

1997年には、サンフランシスコ舞踏フェスティヴァルにて笠井叡の作品に出演し、国際的な舞台でのキャリアをスタートさせました。翌1998年には、ソロ作品《春の雪》をセッションハウスにて発表し、独自の表現世界を追求し始めます。2001年から2003年にかけては、上村なおか等と精力的に共作・共演を行い、コラボレーションを通じて新たな表現の可能性を探りました。

2004年には、世田谷美術館でのワークショップ＜誰もいない美術館でvol.1「いっしょに踊る、写真と」＞にパフォーマーとして参加し、ダンスと美術という異なるジャンルの融合を試みました。同年には、JCDN全国巡回プロジェクト2004＜踊りに行くぜ!vol.5＞に出演し、全国各地でそのパフォーマンスを披露しました。2005年2月には、ソロ作品《華の乱—椿編—》をセッションハウスにて発表し、独自の美学を追求しています。また、2003年よりM-laboratoryに参加し、様々なプロジェクトに関わっています。

2009年には、文化庁新進芸術家派遣研修員としてニューヨークに留学し、海外のダンスシーンに触れることで、更なる成長を遂げました。写真家の笠井爾示は彼の兄にあたります。

近年では、舞台Dance Company Arche『ホムンクルスの地図』（2024年）に出演するなど、精力的に活動を続けています。

笠井瑞丈は、舞踏という伝統的な表現形式を基盤としながらも、ブレイクダンスやコンテンポラリーダンスといった要素を取り入れ、独自のスタイルを確立してきました。その活動は、舞台公演にとどまらず、ワークショップやプロジェクトへの参加など、多岐にわたります。彼の表現は、常に変化し続け、新たな可能性を追求する姿勢に貫かれています。今後の活躍が期待されるダンサーの一人です。

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