笠原博徳

笠原 博徳（かさはら ひろのり）について

概要

笠原博徳氏は1957年7月26日に生まれた日本の著名な計算機科学者です。彼は、並列処理及びグリーンコンピューティングの分野で広く知られており、2018年には世界のコンピュータ学会であるIEEE Computer Societyの会長に就任しました。これは、北米以外の地域から初めて選ばれた事例です。現在も早稲田大学の理工学術院情報理工学科で教授を務め、再生可能エネルギーを用いたプロジェクトにも従事しています。

学歴と経歴

笠原氏は1976年に早稲田大学高等学院を卒業後、1980年に同大学理工学部電気工学科を卒業しました。その後、1982年に早稲田大学大学院理工学研究科を修了し、工学修士を取得します。1985年には並列処理やロボット制御応用に関する研究で工学博士号を取得し、同年にカリフォルニア大学バークレー校の客員研究員となりました。

笠原氏の業績の一つには、16個のRISCプロセッサを接続したマルチプロセッサOSCARプロジェクトがあります。このプロジェクトは産学連携で行われ、1987年に完成しました。また、1985年から1987年にかけて、電子回路の自動並列化に関する研究も行いました。これらの活動を通じて、彼は早稲田大学において並列処理技術の研究を続けました。

1980年代後半から2010年の中頃にかけて日本のスーパーコンピュータ開発プロジェクトにも参画し、地球シミュレータや京（K）など、いくつかの世界的なプロジェクトで重要な役割を果たしました。1997年以降は早稲田大学理工学部の教授に就任し、情報理工学科で教育を行っています。

グリーンコンピューティングへの貢献

現在は特にカーボンニュートラルを目指し、再生可能エネルギーを活用した低消費電力ソリューションに焦点を当てています。太陽光エネルギーで動作するサーバーや自動車向けのAIアクセラレータなどを研究し、その実用化に向けた努力を行っています。グリーンコンピューティング・システム研究開発センターの創設にも携わり、産官学連携の強化を図っています。

国際的な評価と活動

彼の業績は国際的にも認められており、IEEE Computer Societyの理事や各種委員会のメンバーとしても活動しています。2018年には同会長に選出され、研究の教育、標準化に貢献してきました。また、彼は多くの学術雑誌に論文を発表し、情報処理学会や他の団体から数多くの賞も受賞しています。

受賞歴

これまでに若手研究者賞や坂井記念特別賞、LSIオブザイヤー受賞など、数々の優れた評価を受けており、2023年にはIEEEのライフフェローの称号も得ています。これらの受賞は、彼の研究が持続可能な未来に向けた技術の発展に寄与していることを示すものです。

おわりに

笠原博徳氏は、並列処理及びグリーンコンピューティングの分野で多大な影響を与え続けており、私たちの生活をより持続可能にするための技術研究に尽力しています。今後の彼の研究活動にも注目が集まります。

もう一度検索