第一号型哨戒艇

第一号型哨戒艇について

第一号型哨戒艇は、旧大日本帝国海軍に属していた哨戒艇の一種であり、特に戦時における重要な役割を果たしました。この型には、第1号哨戒艇（旧島風）と第2号哨戒艇（旧灘風）の2隻が在籍していました。

概要

1939年に軍令部が計画した老朽化した駆逐艦の哨戒艇への改造に伴い、第一号型哨戒艇が誕生しました。この計画は、戦争への備え強化の一環として実施されました。本来の予定では、峯風型駆逐艦4隻と二等駆逐艦6隻が対象となっていましたが、最終的には峯風型からの改造が2隻に限られ、逆に二等駆逐艦からの改造が10隻に増加しました。

改造の際、峯風型の2隻では、ボイラーの半数を撤去し、さらに2番主砲や1番および3番連管が取り除かれました。この結果、艦はより軽量化され、機動性を向上させることができました。

哨戒艇の正式な運用開始

1940年4月、特務艇の分類についての規定が改正され、徐々に第一号型哨戒艇の部門が新たに設けられました。この新しい分類には、改造された第1号および第2号の哨戒艇が含まれ、正式に運用が開始されることとなりました。

開戦前においては、旧2番連管と4番主砲がさらに撤去され、甲板上には兵員室が新たに設置されました。これにより、約250名の陸戦隊が居住できるスペースが提供され、後部甲板には上陸に備えた大発が2隻搭載可能になりました。このような改造は、後の一等輸送艦の設計と共通するアイデアに基づいています。

戦闘および戦没の経歴

第一号型哨戒艇は、戦争の初期から各地での作戦に従事しました。その後1943年からは、主に船団護衛が主な任務となりましたが、最終的にはどちらの艦も船団護衛中に戦没の運命を辿りました。

第1号哨戒艇は1943年2月10日に米潜水艦「ガードフィッシュ」の攻撃により戦没し、これにより特務艇としての役割から除籍されました。一方、第2号哨戒艇は1945年7月25日に英潜水艦「スタボーン」の攻撃を受けてジャワ海で戦没しました。

まとめ

第一号型哨戒艇は、戦争の激化のなかで様々な任務に従事し、両艦とも損失を被る結果となりました。この型の艦艇は、老朽化した駆逐艦の活用がなされ、新しい戦術の実現や戦場での戦力投射に寄与していました。今後もこの艦艇の歴史や戦闘の詳細は、海軍に関する研究において重要な位置を占めていくことでしょう。

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