第一号型敷設特務艇

第一号型敷設特務艇について

第一号型敷設特務艇は、日本の海軍が開発した4隻の敷設特務艇の一型です。これらの艇は、従来型の補助として建造された漁船型を基本としており、漁敷と呼ばれることもあります。

計画の背景

第一号型敷設特務艇は、昭和15年度に計画されたものであり、当初は漁船形式の提供が期待されました。特務艇の整備の一環として、戦時中の海軍力を向上させるため、昭和16年度の臨時軍事費で予算が承認されました。その際、建造のための予算は1艇あたり210万円、4艇で840万円に設定されました。仮称艦名は第257号艦から第260号艦と付けられました。最初は雑役船としての位置づけであったものの、建造の過程で敷設艇に変更されました。

この艇は、測天型敷設特務艇の補助的役割も果たしており、その兵器としては約40個の機雷を搭載可能です。ただし、主に前進基地への進出を重視しているため、従来の軍港防備のための性能は考慮されていなかったのです。デザインは農林省の160噸鰹鮪船「相洋丸」を参考にしています。

船体の特徴

この特務艇の船体は、遠洋漁船とほぼ同じ構造であり、逓信省の規定に基づいて設計されました。しかし、敷設任務に必要な特別なデザインが施されています。たとえば、船首は機雷の揚収を容易にするために前方に尖った形状をしており、揚収の際の流れを考慮しています。さらに、機雷敷設のために船体の後部は大きく拡張されており、敷設軌道が両側に設けられています。

船の前部には兵員室があり、後部には機雷庫が配置されました。作業の効率を上げるため、前部には1.5トンデリックが装備され、機雷の揚収や訓練に利用されました。また、成熟した設計により、機雷が搭載されない場合には爆雷や大掃海具を搭載できる汎用艇仕様にもなっていました。

兵装と運用

この特務艇は、特に小型艇とは思えないほど高い火力を有しており、前部に8cm単装高角砲が備えられています。さらに、煙突後方には13mm連装機銃が装備され、大戦中にはこれが25mmに換装されることもありました。

第一号型敷設特務艇は、1944年には新設の敷設特務艇としての類別変更が行われました。戦争の激化に伴い、3隻が戦没するなど、厳しい戦局に直面しました。特に、触雷による喪失が2隻もあるのは皮肉な結果でした。また、太平洋戦争の際には、敷設任務よりも対潜任務の必要性が高まり、建造は4隻のみにとどまりました。終戦時には、わずか1隻だけが生き残っていました。

同型艦の詳細

第一号型敷設特務艇は、4隻の同型艦から成ります。それぞれの艦艇において、竣工年や運命は異なりますが、いずれも戦局の影響を受けました。

• - 第一号敷設特務艇: 1942年2月に竣工し、1945年3月に沈没。
• - 第二号敷設艇: 1942年4月に竣工後、1942年12月に沈没。
• - 第三号敷設特務艇: 1942年6月に竣工し、終戦時にはトラックに所在。
• - 第四号敷設特務艇: 1942年8月に竣工し、1944年11月に戦没しました。

このように、第一号型敷設特務艇は、日本海軍の中で重要な役割を果たした艇のひとつであり、その運用方法や設計の特色は、戦争期間中の技術や戦略を物語っています。

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