第一号型魚雷艇

一号型魚雷艇

概要

一号型魚雷艇は日本海軍の特殊な魚雷艇であり、計6隻が建造されました。この艇は計画番号T-1で知られ、T-1型とも称されています。『世界の艦船 日本海軍特務艦船史』では乙型に分類されていますが、他の資料では異なる見解も存在します。1939年、マル臨計画に基づいて臨時軍事費からの資金で建造がスタートし、横浜ヨット鶴見工場で1941年6月に着工、同年12月に竣工を迎えました。これらの艇は、太平洋戦争開戦前に竣工した唯一の魚雷艇として位置づけられています。

一号型魚雷艇は、軽構造の木造であり、船体はステップのないV型形状を持っていました。このデザインは、T-0型魚雷艇をベースにして改良が施されたものです。魚雷を発射するための装置に関しても、従来の艦尾からの射出方式からMAS艇形式の舷側射出方式へと変更されました。エンジンはT-0型と同じく九四式水冷航空エンジンを2基搭載しています。この型の成功ぶりは高く評価されており、ある主張では「T-1型魚雷艇六隻は、日本海軍において最も成功した型である」とされています。

戦歴

一号型魚雷艇の6隻は第1水雷艇隊を編成し、横須賀防備隊に配属されました。戦争が勃発した後、この艇たちはウェーク島とタラワ島にそれぞれ3隻ずつ配備されました。しかし、1943年には、ウェーク島に展開していた3隻とタラワ島の2隻が戦没してしまいました。戦没後も、同型の1隻は水雷学校の練習艇として長浦港に残存していました。

同型艦

一号型魚雷艇は1号から6号までの艦があり、また151号型も存在します。151号型については、1943年に乙型魚雷艇を生産する際に外地工作部の活用が検討され、同年4月には香港の第2工作部に6隻、スラバヤの第102工作部に8隻の建造が指示されました。これらは現地の木材で船体が組み立てられ、機関や兵装は日本から運ばれました。151号型は一号型の設計図を基にしており、151号から165号までの計15隻が製造されました。

参考文献

• - 今村好信『日本魚雷艇物語 日本海軍高速艇の技術と戦歴』（光人社、2003年）
• - 『日本海軍特務艦船史』（海人社『世界の艦船』1997年3月号増刊、No.522〔増刊第47集〕）
• - 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 海軍軍戦備<1> 昭和十六年十一月まで』（朝雲新聞社、1969年）
• - 日本造船学会『昭和造船史 第1巻』（原書房、1981年第3刷）

関連項目

• - 大日本帝国海軍艦艇一覧
• - 魚雷艇 (大日本帝国海軍)
• - T-0型魚雷艇

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