第一次印パ戦争

第一次印パ戦争

第一次印パ戦争（だいいちじいんパせんそう）は、1947年にインドとパキスタンの間で発生した戦争です。その背景には、カシミールの帰属を巡る問題がありました。この戦争は、印パ戦争として知られる一連の対立の最初のものであり、両国にとって歴史的に重要な意味を持っています。

概要

第二次世界大戦が1945年9月2日に終結した結果、イギリスはインド帝国を解体する方針を決め、1947年8月15日にはインドとパキスタンがそれぞれ独立しました。この独立は、主に宗教対立の影響を受け、ヒンドゥー教徒が主導するインド連邦とイスラム教徒を中心とするパキスタンに分かれてのものです。イギリス領インドには直轄領と多くの藩王国があり、ほとんどの藩王国ではインドまたはパキスタンへの帰属が比較的スムーズに行われました。

しかし、ジャンムー・カシミール藩王国のように状況が複雑なケースもありました。ジャンムー・カシミールの藩王であるハリ・シングはヒンドゥー教徒でしたが、住民の大多数はイスラム教徒でした。このため、どちらの国に帰属すべきかの選択に悩んでいました。独立後、インドとパキスタンの双方から帰属を求める圧力がかかり、住民間の緊張が高まりました。

特に、パキスタンからの民兵が10月21日にジャンムー・カシミールに侵入したことから事態は急変します。これに対抗するため、ハリ・シングはインドに対して武力介入を求め、10月27日にはシュリーナガルへ軍を展開しました。これが第一次印パ戦争の引き金となりました。

戦争が始まると、パキスタン正規軍も参戦し、カシミール西部を中心に戦闘が展開されました。国際連合は1948年1月20日に安全保障理事会決議39を通じて停戦を呼びかけましたが、実際の戦闘は続き、1948年12月31日にようやく停戦合意が成り立ちます。

この戦争の結果、カシミールの約60%がインドによって支配され、残りはパキスタンの領域となりました。国際連合は停戦監視のためにインド・パキスタン軍事監視団（UNMOGIP）を設置しましたが、両国の間に恒久的な和平が成立することはありませんでした。この緊張状態はその後の1965年に勃発する第二次印パ戦争に繋がることになります。

関連項目

• - 印パ戦争
• - 第二次印パ戦争
• - 第三次印パ戦争

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