第一生命東戸塚教育センター新館

第一生命東戸塚教育センター新館は、かつて横浜市戸塚区の東戸塚に存在した、第一生命保険の研修施設です。1992年に、全国から集まる研修生のための研修施設として建設されました。東戸塚駅西口の線路沿いに位置し、その特徴的な外観は人々の目を引きました。

新館の高層部は、傾斜のついた塔屋と水平連続窓が特徴的です。4階から22階にかけては研修生の宿泊施設として利用され、多くの研修生がここで寝食を共にしながら研修に励みました。建物の最高部は94.6mですが、傾斜地に建てられているため、実際にはさらに高くそびえ立つように感じられました。

低層部には、ギリシャ神話の宮殿の中庭を思わせる美しいアトリウムが設けられていました。このアトリウムは室内緑化が行われており、クロガネモチなど、通常は屋内での栽培が難しい植物も植えられていました。研修生たちは、この緑豊かな空間でくつろぎ、研修の疲れを癒すことができました。

新館はその優れた建築デザインが高く評価され、1994年には日本建設業連合会主催の第35回BCS賞を受賞しました。さらに、2003年には都市緑化機構主催の第2回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクールで都市緑化技術開発機構理事長賞を受賞しています。これらの受賞は、新館が建築としても、また緑化の面でも優れた施設であったことを証明しています。

なお、新館の近接地には、1987年3月に竣工した第一生命東戸塚教育センター本館がありました。本館には「社内総合大学」が創設され、多くの社員が研修を受けましたが、2015年に解体されました。その跡地には、分譲マンションが建設されています。新館は、本館と共に第一生命の社員教育を支える重要な役割を担っていましたが、現在はその役割を終えています。

第一生命東戸塚教育センター新館は、その建築美と緑豊かな空間が調和した、研修施設としてだけでなく、地域のランドマークとしても存在感のある建物でした。多くの研修生にとって、ここで過ごした時間は貴重な思い出として心に残っていることでしょう。

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