第三十二号哨戒特務艇

第三十二号哨戒特務艇の歴史

概要

第三十二号哨戒特務艇は、日本海軍が計画した艦艇の1つであり、第一号型哨戒特務艇の14番艇です。この艦艇は、第二次世界大戦中に建造が進められましたが、終戦を迎えるまでに完成することはありませんでした。そのため、戦後には廃艦や転用の検討が行われました。

計画と命名

この特務艇は、マル戦計画の一環として設計され、第2121号艦型の32番艇にあたります。仮称艦名として第2152号艦が設定され、1944年11月5日に第三十二号哨戒特務艇と命名されました。本艇は横須賀鎮守府を本籍地として位置づけられ、第一号型哨戒特務艇の13番艇とされました。

進水と工事の停止

1945年6月5日に株式会社船矢造船鉄工所で進水しましたが、終戦を迎えた日本の艦隊は急変し、8月17日には工事中止命令が出されました。この時点で船体の工事は95%に達していましたが、完成を見ることはありませんでした。

戦後の扱い

1947年2月1日、本艇は行動不能艦艇に指定されました。船体は函館市の船矢造船鉄工所に留め置かれ、大湊地方復員局の要請により同社が管理責任を持つことになりました。その後、2月8日に特別輸送艦と定められ、艦名が哨特第三十二号に変更されました。特別保管艦として2月28日までに旧大湊掃海部の突堤に繋留されました。

4月15日には特別輸送艦の地位が解かれ、翌日には船体が青森県に引き渡されました。6月20日には、青森県から北海道の岩内漁業会に船体が渡され、その直後の6月22日に船矢造船鉄工所へと曳航されました。

改造計画

1947年11月22日には、アメリカ極東海軍司令部から本船の漁船への改造の許可が出されましたが、12月1日には船体が元の船矢造船鉄工所に放置され、改造作業は一切進められませんでした。その後、本艇に関する具体的な情報は失われており、その運命は不明のままとなりました。

まとめ

第三十二号哨戒特務艇は、日本海軍の艦艇の中でも特異な存在であり、戦争の混乱によって未完成のままで終わった歴史を持っています。この艦艇は日本海軍の艦艇の設計の一端を示し、また戦後の日本における艦艇の扱いについても考察を促します。

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