第三次アルベールの戦い

第三次アルベールの戦い

第三次アルベールの戦い（英語：Battle of Albert、フランス語：Bataille d'Albert）は、第一次世界大戦末期の1918年8月21日から8月23日にかけて、フランスのソンム近郊のアルベールで繰り広げられた戦闘です。この戦いは、連合軍による百日攻勢（Hundred Days Offensive）の一環として行われ、過去に同地で行われた2つの戦い（1914年、1916年）と比較して、規模は小さいながらも重要な意味を持っていました。特に、オーストラリア軍団（Australian Corps）が参加した点、そしてこの戦いが第二次ソンムの戦い（Second Battle of the Somme）へと繋がる重要な開幕戦であった点が注目されます。

この戦闘では、ヘンリー・ローリンソン（Henry Rawlinson, 1st Baron Rawlinson）率いるイギリスの第3軍（Third Army (United Kingdom)）が主力を担い、第4軍（Fourth Army (United Kingdom)）の支援を受けながら攻撃を実施しました。この戦闘の後、8月25日から9月3日にかけて第二次バポームの戦い（Second Battle of Bapaume）が展開されました。

戦闘の経緯

1918年8月15日、イギリス軍を指揮するダグラス・ヘイグ将軍は、連合軍総司令官だったフェルディナン・フォッシュの要請にもかかわらず、アミアンへの攻撃（Battle of Amiens）の継続を拒否しました。その理由は、攻撃が限界に達したこと、そしてドイツ軍の予備部隊の進出により、イギリス軍の部隊が物資や大砲から遠く離れてしまったためでした。

ヘイグ将軍は代わりにアルベールへの攻勢を計画し、8月21日に攻撃を開始しました。この攻撃は、イギリス第3軍にアメリカ第2軍が加わる形で実行され、8月23日にはアルベールを奪取しました。これにより、ドイツ第2軍は東方への後退を余儀なくされました。

この攻撃は、結果的にドイツ第2軍を約80kmも後退させる大きな進軍へと発展しました。8月22日には、第18(東部)師団（18th (Eastern) Division）がアルベールを確保し、イギリスとアメリカの連合軍はアラスへの進軍を開始しました。翌日には、プロヤール（Proyart）から北東に進軍していたオーストラリア第1師団（1st Division (Australia)）が、シュイーニュ（Chuignes）周辺のドイツ軍要塞を攻撃し、同地の占領に成功しました（シュイーニュの戦い）。

さらに8月29日には、第二次バポームの戦いでバポーム（Bapaume）の町がニュージーランド軍によって占領されました。続く8月31日には、ソンム川を渡河し、モン・サン＝カンタンの戦い（Battle of Mont Saint-Quentin）でドイツ軍の戦線を突破したオーストラリア軍団が前進しました。これにより、ドイツ西部戦線軍（Westheer）は、春に攻勢をかけたヒンデンブルク線（Hindenburg Line）まで押し戻されることとなりました。

戦闘の意義

第三次アルベールの戦いは、連合軍の百日攻勢における重要な一局面であり、その後の戦局を大きく左右する転換点となりました。この戦いを皮切りに、ドイツ軍は防御を固めた陣地を次々と失い、連合軍は破竹の勢いで進撃を続けることになります。オーストラリア軍団の活躍も目覚ましく、連合軍の勝利に大きく貢献しました。

この戦いの成功は、連合軍が最終的な勝利を掴むための重要なステップとなり、第一次世界大戦終結への道を切り開きました。

脚注

[参考文献]

[外部リンク]

第一次世界大戦における連合軍前進の地図
勝利への前進、1918年（西部戦線協会）

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