第二二一海軍航空隊

第二二一海軍航空隊：嵐部隊の詳細

第二二一海軍航空隊、通称「嵐部隊」は、太平洋戦争末期にフィリピン防衛の中核を担った日本海軍の戦闘機隊です。この部隊は、激戦が繰り広げられた太平洋戦争の終盤において、重要な役割を果たしました。

編成と初期

1944年1月から3月にかけて、日本海軍は基地航空隊の強化を目指し、複数の航空隊を編成しました。その中で、第二二一海軍航空隊は第一航空艦隊第六十二航空戦隊に編入され、有力な攻撃航空隊として育成されることになりました。同年5月5日には連合艦隊附属となり、6月15日には新編された第二航空艦隊に編入されました。当初、「あ号作戦」には投入されず、訓練に専念しました。

戦闘への参加

1944年7月10日、第二二一航空隊は改編され、所属機は戦闘308、312、313飛行隊に再編成されました。同時に、第三六一海軍航空隊を解隊し、戦闘407飛行隊を編入しました。同年8月中旬には、陸軍の節号作戦に呼応し、戦闘312飛行隊が台湾の新竹飛行場に進出しました。

10月には、台湾沖航空戦が発生し、第二二一航空隊は全力で迎撃に当たりました。その後、クラーク飛行場への進出やモロタイ島への長駆挺身攻撃も行い、レイテ沖海戦の航空総攻撃にも参加しました。この時期、特攻作戦への参加も行われ、神風特別攻撃隊の護衛任務も遂行しました。

11月には、マニラ空襲の迎撃や、第三神風特別攻撃隊の護衛などを担当しました。しかし、これらの作戦で多くの損害を出し、11月30日には部隊の再編が行われました。この再編で、一部の飛行隊は他の航空隊に編入され、新たな飛行隊が加わりました。

終戦への道

12月以降も、戦闘は続き、第九次多号作戦に参加しました。年末には、対空特攻隊「金鵄隊」が編成され、特攻作戦も実施されました。1945年1月には、第二航空艦隊が解隊され、第一航空艦隊に編入、台湾へ撤退しました。

その後、5月8日には第一航空艦隊から離脱し、南西方面艦隊附属となり、陸戦訓練に従事しました。終戦まで再編成の見込みはなく、陸戦訓練に明け暮れました。

特攻作戦と部隊の性格

第二二一航空隊は、終盤の金鵄隊編成まで、積極的な特攻攻撃は実施せず、護衛任務に徹していました。これは、主力機が脆弱な52型零戦であり、爆装が可能な21型零戦の保有率が極端に少なかったためです。航空総攻撃の失敗後も、福留繁二航艦長官は特攻作戦を拒否していましたが、最終的には特攻作戦を実施するようになりました。

主力機種

零式艦上戦闘機: 主に52型、ごくまれに21型。

歴代司令

姫野一郎 少佐: 昭和19年1月15日 -
斎藤正久 大佐: 昭和19年7月10日 -
八木勝利 中佐: 昭和19年11月15日 -
佐伯忠雄 少佐: 昭和20年2月5日 - 終戦後解隊

まとめ

第二二一海軍航空隊は、太平洋戦争の終盤において、フィリピン防衛の要として重要な役割を果たしました。激戦の中で多くの犠牲を出しながらも、最後まで勇敢に戦い抜いた部隊です。その戦いの歴史は、日本の航空戦史において、重要な位置を占めています。

参考文献

『日本海軍編制事典』 芙蓉書房出版、2003年。
『航空隊戦史』 新人物往来社、2001年。
『日本海軍航空史2』 時事通信社、1969年。
防衛研修所戦史室 『海軍航空概史』 朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1976年。
同上 『マリアナ沖海戦』 同上、1968年。
同上 『海軍捷号作戦（1）』 同上、1970年。
同上 『海軍捷号作戦（2）』 同上、1972年。
『航空戦史 雑想ノート』 個人ブログ。
『連合艦隊海空戦戦闘詳報別巻1』 アテネ書房、1996年。

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