第二京浜トラック爆発事故とは？意味をやさしく解説

第二京浜トラック爆発 事故

1959年12月11日午前4時53分頃、第二京浜国道で発生したこの事故は、積載された火薬の爆発により、甚大な被害をもたらしました。事故は、米軍の砲弾から取り出したTNT火薬を積載したトラックと、砂利運搬トラックの正面衝突によって引き起こされました。

事故の概要

千葉県勝浦市の昭和火薬興津工場から横浜市の戸塚工場へ向かっていた火薬積載トラック2台のうち、1台が横浜市神奈川区子安台付近の第二京浜国道で、対向車線の砂利運搬トラックと激突しました。この衝撃により、積載されていた約4トンのTNT火薬が爆発し、爆発地点には直径5m、深さ1mの巨大な穴ができました。半径500m以内の家屋31棟が全半壊、201棟が一部損壊し、99名もの負傷者を出す惨事となりました。

爆発の規模は非常に大きく、数十メートル後方を走行していたもう1台の火薬積載トラックも、爆風でバックミラーが吹き飛ぶなどの被害を受けました。幸い、このトラックに積載されていた火薬には引火せず、さらなる大爆発は免れました。事故で亡くなった4名の乗員は、遺体が細かく飛び散り、当初は身元が特定できませんでしたが、後に2名が歯型などから確認されました。

事故の原因

事故の原因は、砂利運搬トラックの運転手の居眠り運転とされています。この運転手は、事故発生のわずか2週間前に運転免許を取得したばかりの初心者でした。事故前日の午前5時から約24時間、相模原と川崎の間で砂利運搬作業を繰り返し行っており、事故発生時は5往復目という過酷な状況でした。爆発孔が第二京浜の下り車線側にあったことから、居眠り運転によって対向車線にはみ出し、火薬積載トラックに正面衝突したと推定されています。

この事故は、過労運転や未熟な運転による事故が、いかに大きな惨事を引き起こす可能性があるかを物語る教訓となっています。

第二京浜トラック爆発事故