第二京浜国道

第二京浜国道は、東京都品川区西五反田から神奈川県横浜市神奈川区青木町に至る、国道1号線の通称です。この道路は、主に京浜地区で「第二京浜」または「にこく」として親しまれています。

概要

起点: 東京都品川区西五反田（西五反田一丁目交差点）
終点: 神奈川県横浜市神奈川区青木町（青木通交差点）

歴史

変遷

第二京浜国道の歴史は、1927年の帝都復興計画における放射1号の計画に遡ります。当初は、現在の国道15号の前身である「京濱國道」のバイパスとして計画され、1934年に「新京濱國道」として着工しました。この新京浜国道は、都市計画放射1号と同一視され、同時に当時の国道36号にも指定されました。

建設に際しては、主要道路との交差にはロータリーを設け、環七通りや鉄道との交差は立体交差とするなど、当時としては非常に先進的な設計が採用されました。道路幅は、東京都内が25メートル、多摩川大橋が22メートル、神奈川県内が23メートルとされ、高速車線と緩速車線の間にはイチョウ並木が植えられました。1949年の多摩川大橋開通により、大崎広小路から東神奈川まで車両の通行が可能になり、実質的な開通となりました。その後、歩道やグリーンベルトの整備が進められ、1958年に全線が完成しました。

1952年、新道路法に基づく路線指定により、東京から神奈川までの第二京浜国道が国道1号となり、それまでの国道1号は国道15号となりました。

建設に至る経緯

当時の京濱國道（現在の国道15号）は交通量の増大により飽和状態に陥っており、事故の増加も問題視されていました。そのため、バイパスとしての新京浜国道建設が急務となりました。また、1940年に開催予定だった東京オリンピックのマラソンコースにも使用が検討されていました。

建設には、戦時中の建設中断などもあり、着工から完成まで約22年を要し、総工費は9億613万6334円（当時金額）に上りました。

今後は、東京都側と川崎市側で拡幅計画が進行中で、横浜市では道路幅はそのままに、歩道を拡張し車線を縮小する工事が進められています。

年表

1927年: 旧東京市が「大東京道路網計画」に放射1号として計画。
1934年 5月1日: 「国道36号」の経過地変更により、新京浜国道の建設を決定。
1936年10月14日: 新京浜国道の建設着工。
1940年: 松原橋立体が完成。
1941年3月: 響橋が完成。
1949年 4月30日: 多摩川大橋が開通し、車道部分が全線通行可能に。
1952年 12月4日: 新道路法により、第二京浜国道が国道1号に指定。
1958年3月: 第二京浜国道が全線開通。
1965年 4月1日: 道路法改正により、一般国道1号となる。

路線状況

通称

東京都内では「第二京浜」が正式な道路名ですが、建設当時は「新京浜国道」、その後は「第二京浜国道」や「第二国道」とも呼ばれていました。地元住民の間では「にこく」の通称もあります。また、戦後の占領軍統治時代には「大森アベニュー」と呼ばれていました。

第一京浜国道（国道15号）は、「いちこく」と呼ばれていましたが、これは旧京浜国道と新京浜国道を区別するために自然発生的に生まれたものです。

第三京浜道路は、有料道路であるため「さんこく」とは呼ばれません。

道路施設

松原橋立体: 環七通りを越える跨道橋で、日本初のインターチェンジ構造（不完全クローバー型）を持つ立体交差です。
多摩川大橋: 多摩川を越える橋。
響橋: 第二京浜を越える横浜市道85号線の橋。

地理

通過する自治体

東京都: 品川区、大田区
神奈川県: 川崎市（幸区）、横浜市（鶴見区、神奈川区）

交差する道路

多数の道路と交差しており、交通の要衝となっています。

交通機関

起点付近には五反田駅があり、都営浅草線が地下を通っています。また、東急池上線、東急大井町線、東急多摩川線、南武線、品鶴線、東海道貨物線、横浜線、東海道本線、京急本線などが交差しています。

路線バスは、東急バス、川崎市バス、川崎鶴見臨港バス、横浜市営バスなどが運行しています。

周辺

岸谷の湧水: 1937年に発見された湧水で、近年の開発による影響が懸念されています。

その他

フランク永井のヒット曲「夜霧の第二国道」はこの国道をモデルにしています。

ギャラリー

(画像に関する記述は省略)

脚注

注釈

(注釈に関する記述は省略)

出典

(出典に関する記述は省略)

参考文献

(参考文献に関する記述は省略)

外部リンク

国土交通省 / 関東地方整備局
東京国道事務所 / 横浜国道事務所 / 京浜河川事務所
国土地理院（地図・空中写真閲覧サービス）
品川区（しながわWEB写真館）
社団法人土木学会附属土木図書館（デジタルアーカイブス）
首都高速道路株式会社
TTS Road Explorer（米軍占領下の東京の街路名称）

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