第二十三日東丸

第二十三日東丸

第二十三日東丸は日本の漁船として徴用され、特設監視艇としての役割を果たしました。この艇は日本海軍の太平洋東方面への警戒強化の一環として、1941年12月に特設監視艇として配備され、以降様々な哨戒任務を担当しました。特に、第5艦隊に所属する第二監視艇隊で活動し、他の軍艦や監視艇と連携して本土防衛に貢献しました。

船歴

日本海軍は、1941年から南方への膨張に伴い、警戒網を強化する必要があったため、116隻の監視艇を徴用して行動を開始しました。第二十三日東丸はその中の一隻で、少なくとも13ミリ機銃を装備していたことが推測されています。この艇は、1942年2月1日より第5艦隊の第二監視艇隊に所属し、他の監視艇隊と共に本土の東側での哨戒活動を行いました。

最初の出撃は1942年2月17日で、横須賀を出発し、約3週間の任務を終えて帰投しました。その後、3月12日にも再び出撃し、さらに4月4日には他の特設巡洋艦や砲艦とともに新たな任務に出向きました。なお、この時期の哨戒活動は、アメリカ艦隊の動向を探るための重要なものでした。特に、釧路を拠点として多くの情報を収集していました。

最後の任務

1942年4月18日、第二十三日東丸は釧路に向かう途中、敵艦隊との接触を果たしました。この日の朝、6時30分に北緯36度、東経152度10分で敵飛行機を発見し、その後すぐに敵空母の存在も報告しました。合計6回の報告を行った後、この艇は消息を絶ちました。実はこの時、第二十三日東丸はアメリカ艦隊の接近を受けており、敵艦隊（空母エンタープライズやホーネットなど）と接触し、撃沈されたことが追跡調査によって明らかになっています。

特に軽巡洋艦「ナッシュヴィル」は、28フィートから32フィートのボートを標的として、砲撃を開始しました。撃沈までに費やされた弾薬の数は915発という膨大なもので、戦闘の激しさがうかがえます。撃沈は午前7時23分に確認されましたが、生存者は2名だったものの、その後艇長中村盛作を含む全員が戦死したことが報告されています。

まとめ

このように、第二十三日東丸はその短い活動期間の中で、多くの任務を遂行するも、最終的には敵艦隊との遭遇によって命を落とす結末を迎えました。その功績を讃えて、日本海軍は後に感状を授与しました。戦史の中に刻まれた小さな艇の物語は、多くの人々の記憶に残り、海軍の歩みを知る手がかりとなっています。

もう一度検索