第二十八号型駆潜艇

第二十八号型駆潜艇

第二十八号型駆潜艇（だいにじゅうはちごうがたくせんてい）は、日本海軍で運用されていた駆潜艇の一種で、合計31隻が建造されました。この艦型は、前型である第十三号型駆潜艇の改善を受けており、艦尾船底の形状に手を加え、艦尾側面を垂直にすることで保針性能の向上が図られました。また、戦時中の緊急生産に対応できるよう、艤装や船殻の設計は簡略化されましたが、これは松型駆逐艦や海防艦と比較しても過度な簡略化ではありませんでした。兵装に関しては基本的に第十三号型と同様の配置が採用されています。

主な任務と装備向上

戦時中、この駆潜艇は船団護衛を主な任務として遂行しました。他の海軍艦艇同様に、敵の空襲に対抗するための機銃が強化され、特に25mm機銃を3挺追加で装備しました。また、探照灯の位置が移動され、その場所に22号電探が設置されるなど、戦局に応じた装備の充実が図られました。さらに、爆雷投下軌条も2基に増設され、対潜能力の強化が図られました。

残存艦について

終戦時、第二十八号型駆潜艇のうち9隻が生存していました。その中で、無傷で国内に存在した2隻は復員輸送に従事し、多くの帰還者の助けとなりました。これにより、戦争がもたらした悲劇からの復興への第一歩を支えました。

同型艦の略歴

ここでは、第二十八号型駆潜艇の同型艦について、各艦の竣工日や喪失日を述べます。これらの艦はいずれも戦争の厳しい状況下で様々な運命をたどりました。

1. 第28号: 1942年5月15日竣工（鶴見）、1945年2月1日、敵機の攻撃で沈没（ルソン島北方）
2. 第29号: 1942年4月30日竣工（播磨）、1944年2月18日、トラック島空襲で沈没
3. 第30号: 1942年5月13日竣工（三井玉）、1944年12月24日、敵潜の雷撃で沈没（ボルネオ北西）
4. 第31号: 1942年6月15日竣工（石川島）、1945年1月12日、敵機の攻撃で沈没（仏印南部）
5. 第32号: 1942年8月19日竣工（鶴見）、1944年9月24日、敵機の攻撃で沈没（コロン湾）
6. 第33号: 1942年8月15日竣工（三井玉）、1945年3月21日、敵機の攻撃で沈没（カムラン湾）
7. 第34号: 1942年8月31日竣工（播磨）、1945年3月26日、英艦との交戦で沈没（アンダマン諸島沖）
8. 第35号: 1943年2月28日竣工（函館）、1945年2月23日、敵機の攻撃で沈没（仏印南部）
9. 第36号: 1942年10月15日竣工（石川島）、1944年11月19日、敵機の攻撃で沈没（フィリピン・スービック湾）
10. 第37号: 1942年10月31日竣工（三井玉）、1945年5月22日、敵機の攻撃で沈没（奄美大島）

こうした経歴を持つ第二十八号型駆潜艇は、日本海軍の歴史の中で重要な役割を果たしました。戦局の変化や戦闘の厳しさによって、多くの艦艇が消えていきましたが、その功績は今なお語り継がれているのです。

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