スービック湾

スービック湾

スービック湾は、フィリピンのルソン島中西部、マニラ湾から北へ約100kmに位置する南シナ海に面した湾です。南北に細長く伸びた形状で、長さは約10km、幅は約5kmとなっています。湾の奥部がやや広くなっており、最奥部にはスービックの町、北東にはオロンガポの町が位置しています。

歴史

1885年、オロンガポにスペイン軍の艦船補修工場が設けられたのが、この湾の軍事的な利用の始まりでした。米西戦争後、この施設はアメリカ海軍に引き継がれ、スービック海軍基地として発展しました。この基地は、後に飛行場も備え、アメリカ海軍の主要な基地の一つとして重要な役割を果たしました。しかし、1992年に基地は閉鎖され、跡地はスービック経済特別区として新たな道を歩み始めました。

近年の動向

2015年7月、フィリピン軍はスービック湾に戦闘機や艦船を駐留させる方針を決定しました。これは、同湾を軍事基地として再開し、中国の動きに対してより効果的に対応するための戦略的な動きとされています。その準備として、同年5月には、スービック湾の監督庁と一部施設の15年間の賃借契約を締結しています。この動きは、スービック湾の地政学的な重要性が再認識されていることを示しています。

経済活動

2000年代に入ると、スービック湾では経済活動も活発化しています。韓国などの企業が造船工場を建設し、特に2018年には韓進重工業がスービック湾の造船所で世界最大規模の大型コンテナ船を竣工させるなど、造船業の拠点としても成長を遂げています。スービック湾は、かつての軍事基地から、現在は経済と安全保障の両面で重要な役割を担う地域へと変化しています。

まとめ

スービック湾は、歴史的に軍事的な拠点として重要な役割を果たしてきましたが、現在は経済特別区として新たな発展を遂げています。近年では、再び軍事的な重要性も高まっており、今後の動向が注目されます。

関連項目

• - スービック海軍基地

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