第二次アキャブ作戦

第二次アキャブ作戦（ハ号作戦）

1944年2月、日本陸軍はビルマ西部のアキャブ（現在のシットウェー）を目指して進撃するイギリス軍に対抗するため、第二次アキャブ作戦（ハ号作戦）を実施しました。この作戦の主目的は、イギリス軍を包囲し殲滅することによって、アキャブを守り、さらに第15軍によるインパール作戦の陽動を行うことでした。

作戦背景

アキャブは重要な戦略拠点であり、飛行場や港湾が存在していたため、イギリス軍はここを攻略することを目指しました。第一次アキャブ作戦では、日本軍の反撃に遭い惨敗したイギリス軍は、1944年に入ってから再び攻勢をかけることを決めました。この際、大英帝国首相ウィンストン・チャーチルの指導のもと、東南アジア連合軍最高指揮官としてルイス・マウントバッテン中将が任命され、彼のもとでビルマ戦線の反攻が始まりました。

イギリス軍は多くの部隊を動員し、マユ山系を挟む形で進軍を開始しました。さらには、アメリカ陸軍の支援も得て、ビルマ全体の戦局を有利に進めようとしていました。

ハ号作戦の計画

日本軍は第55師団を中心にアキャブ防衛のための戦力を整えましたが、戦力不足が指摘されました。そこで、インパール作戦との陽動作戦を兼ねて、攻撃を決定しました。師団長の花谷正陸軍中将は、「攻撃防御」の戦法を採用し、イギリス軍の背後にあるボリバザーへの急襲を計画しました。 結果的に、作戦は日本軍の勇猛さを発揮する場となりました。

作戦開始

1944年2月4日にハ号作戦が発動され、桜井少将が率いる挺身隊は夜間に出撃しました。この進撃は成功を収め、トングバザーを迅速に占拠しました。さらに、日本軍はイギリス軍の側背に迫り、シンゼイワ周辺での激闘が繰り広げられました。一時的にはイギリス軍の指揮系統も崩壊しましたが、日本軍はその後の連携不足や補給問題に直面しました。

円筒形陣地の戦い

イギリス軍は「アドミン・ボックス」という新たな陣地構築戦術を展開し、苦境に立たされた日本軍はこの陣地に直面しました。桜井挺身隊は度重なる夜襲を仕掛けたものの、イギリス軍の補給能力や戦術の柔軟さの前に徐々に押され、戦線を維持することが困難になりました。

結果と評価

作戦は最終的に不利な展開に終わりましたが、イギリス軍に対しても相当な損害を与えることに成功しました。また、この戦闘によって、第15軍のインパール作戦は牽制されることになりました。

結局、第二次アキャブ作戦は日本軍にとって痛手となりましたが、同時に英軍に対する抵抗も示しました。この戦いは日本陸軍にとって重要な教訓となり、今後の戦局に大きな影響を与えることになったでしょう。

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