第二次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争

第二次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争

第二次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争は、1864年にデンマーク王国とプロイセン王国・オーストリア帝国との間で勃発した内戦である。この戦争は、シュレースヴィヒ公国およびホルシュタイン公国の帰属問題が主な原因であり、プロイセンとオーストリアの連合軍がデンマークを相手に戦った結果、戦争はプロイセン側の勝利に終わった。結果として、両公国は新たにプロイセンとオーストリアの管理下に置かれることとなった。

戦争の背景

シュレースヴィヒとホルシュタインは、デンマーク王国の統治下にあったが、実質的にはそれぞれがドイツ民族の多くを占めていた。この時代、ドイツにおける民族主義の高まりが影響し、両公国ではデンマークから独立し、ドイツの一部となろうとする動きが盛んになった。過去にプロイセンを含むドイツ諸邦がデンマークと戦った第一次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争（1848-1852年）では、国際的な仲介もあり、デンマークの支配が維持された。

1863年3月、デンマークは憲法を改正し、シュレースヴィヒの併合を明記した。この歴史的改正に対して、ドイツの軍は強く反発し、ザクセン軍とハノーファー軍がホルシュタインに進駐した。これが就任したクリスチャン9世の王位継承と結びつき、その後の動乱を引き起こすこととなる。

開戦までの経緯

デンマークは、プロイセンの強硬な要求に対して外交での解決を試みたが、プロイセンのビスマルクは「継承令」の撤回を求め、その背後にオーストリアを引き入れた。同年、デンマークがプロイセンの要求を拒否したことで、戦争の噴火口が開かれる結果となった。

1864年1月、プロイセン・オーストリア両軍が集結し、2月1日に宣戦布告を行った。デンマーク軍は4万人の兵を動員していたが、連合軍の圧倒的な数に対抗するのは困難であった。

作戦と戦況

二国の連合軍は、シュレースヴィヒを占領するために進撃を開始した。プロイセン軍のカール・フリードリヒ親王が指揮し、オーストリア軍のガブレンツ元帥と共同で作戦を推進した。一方、デンマーク軍は要塞を中心に守りを固め、国境防衛を展開していた。

開戦初期、プロイセン軍はミッサウンドの橋頭堡を目指したものの、デンマーク軍の抵抗に遭い、攻撃が退けられる。連合軍は新たな渡河作戦を計画し、成功裏にシュレースヴィヒへ進出、デンマーク軍に対する攻勢を強化した。状況は次第にデンマーク側に不利に進み、数に圧倒されたデンマーク軍は逐次退却を余儀なくされた。

デュペル堡塁の戦い

プロイセン軍はデュペル堡塁に攻撃を仕掛け、激しい戦闘を展開した。要塞攻撃では、プロイセンの大砲が初めて実戦で効果を発揮し、デンマーク軍は大きな損失を被りながら敗走した。この戦いがデンマーク軍に対する攻勢の一つの転機となり、プロイセン軍の士気を高める要因となった。

休戦と講和交渉

戦局はデンマーク軍にとって厳しく推移し、5月には休戦が開始された。デンマークの妥協案は連合軍に拒否され、交渉は決裂、戦闘は再開された。プロイセン・オーストリア連合軍は圧倒的な兵力を背景にデンマーク本土への侵攻を継続。

結果としての戦争の余波

戦争の結果、デンマークはシュレースヴィヒおよびホルシュタインの領域を失うことになり、戦後はプロイセンとオーストリアの間で領有権を巡る対立が生じた。この争いは1866年の普墺戦争へとつながり、ドイツ統一に向けた激烈な競争の原動力となる。北欧における民族主義の高まりはこの戦争を契機に抑圧され、結果的に北欧の歴史的な統一の夢が破綻した。

このように、第二次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争は、単なる地方争いを超えた国際的な権力構図を変更する大きな出来事であり、ヨーロッパ地図上に新しい線引きをもたらしました。

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